ゴルフのロリー・マキロイ選手が

3年後の東京五輪に参加しないと

表明した。ジカ熱への感染を懸念して

スター級がほとんど出なかった

リオ五輪に続き、

凡戦を見せられるのかとがっかりである。

本紙に[個人の選択なので尊重して

ほしい]とのコメントが載っていた。

◆日本の衛生状態はブラジルほど

心配いらないぞ、とぶつぶつ言って

いたら、事情は全然違った。

マキロイ選手は英国とアイルランドの

二重国籍。リオ五輪では

アイルランドから出ると決めたが、

金メダル候補に逃げられた英国で

かなり悪く言われたらしい。

嫌気がさしてジカ熱を理由に

出場を取り止めたというのが真相だ。

◆したがって、五輪参加が国単位である

限り出場する気はないそうだ。

大会ごとに国籍を変える

渡り鳥選手ならばともかく、

生まれつき二重国籍なのは

彼の罪ではない。

五輪憲章には

[選手間の競争であり、国家間の

競争ではない]と書いてある。

メダル競争に奔走する国が

多いせいで、居場所を失う選手が

いるのは残念だ。

◆だから二重国籍に目くじらを

立てるべきではないと書くと、

異を唱える人が多いだろうが、

二重国籍嫌いの愛国者であれば

あるほど東京五輪が低調でよいとは

思うまい。ゴルフは特定国に

有力選手が偏りがちで、

世界ランク30位までに

米国は12人も入っている。

国別の参加枠を取り払い、

個人参加にした方が

絶対盛り上がる。

《日本経済新聞★春秋★1月16日》