サトノダイヤモンドV

ゴール寸前でキタサン差す

[日経/野元賢一]

常に正攻法で戦う王者に、

真っ向から勝負を挑み、

ゴール寸前で測ったようにかわした。

3歳のサトノダイヤモンドが、

1歳上のキタサンブラック相手に

値千金の首差の勝利。

年末の大一番で主役の座を奪い取る

引き離して逃げるマルターズアポジーの

後に、キタサンブラック、

ゴールドアクターが続く隊列は

想定通り。サトノダイヤモンドは当初、

中位を進んだが、

池江調教師は[思ったより後ろ]と

感じていた。胸中を察するように

ルメール騎手は向こう正面で位置を

押し上げキタサンブラックに並びかけていく

まるで宣戦布告のような一幕だ。

直線はゴールドアクターを中に

人気上位3頭が後続を振り切っての

死闘。残り100㍍地点でも3番手と

劣勢だった。だが、

[反応が遅かったが、最後にもう一度

伸びてくれた]とルメール騎手

ハラハラさせた分、なおさら鮮やかな

逆転劇。開業14年目の池江調教師は、

6年連続で有馬記念に3頭以上を

送り出すほど、思い入れが深い。

4度目の優勝に

[幼い頃から大好きなレース

トップの馬を破って勝てたのだから

調教師冥利に尽きる]と感無量だ。

生後5ヵ月余りで2億3千万円

(税抜き)の競り値がついたエリート。

今春は惜しくもタイトルを逸したが

雪辱の秋に地力を増し、

菊花賞に続くGⅠ制覇。

視線は既に凱旋門賞に向けられている

[もう少し背中や腰が強くなれば

爆発力が出る]と池江調教師。

2017年は世界に挑む年となる。

前走のジャパンカップで快勝した

キタサンブラックは、わずか首差及ばず

2着に敗れた。

道中はスムーズに2番手で追走。

ただ、2周目の第3コーナーで

自身の外側から進出してきた

他馬に[つつかれたのが痛かった]

(武豊騎手)

最後の直線もしぶとく粘ったがゴール寸前で

サトノダイヤモンドにつかまった

[勝ちたかった。でもよく走っています。

伸びしろもあるし、どんどん鍛えていきたい]

と清水久詞調教師は来年を見据えた。