【日経・文化往来】から

83歳を目前に亡くなった平幹二朗さんは

現代演劇の頂点に立ち続けた名優だった

朗々とした声、

骨格の大きな演技。

西洋古典劇で世界がうねるような

舞台を築いた。映像でも活躍したが

自他ともに認める舞台俳優だった。

9日まで、17世紀英国演劇界を

描く[クレシダ](ニコラス・ライト作)

で主演、圧倒的なセリフを聴かせていた

腹の傷の痛みにたえ、

しぼりだすセリフの冷徹さ。

若い人のダメだしを受けたいと

森新太郎演出に向き合った結果だった

俳優座の千田是也から

近代俳優術、劇団四季の

浅利慶太から

言葉を聴かせる術を学び

蜷川幸雄と世界的に評価される

西洋古典劇を生み出した。

名演出家と対峙し、

努力を積み上げた。5月に亡くなった

蜷川幸雄の海外進出第1作となった

ギリシャ悲劇[王女メディア]が

代表作。女形を志願、衣装に

辻村ジュサブローを指名した。

蜷川幸雄演出では

シェークスピアの[テンペスト]

[リア王]で、人生を見返す主役を

練り上げた。蜷川幸雄演出の

評価を決定づけた創造する俳優だった