《今上天皇》

天皇陛下の生前退位に関する政府の

有識者会議が17日、初会合を開く。

生前退位は明治期以降では例がなく

現行法にも規定がない。

象徴天皇のあり方にも絡む重い議論になる

[摂政では駄目だ]

[いずれ80歳になる。

元気に務めを果たせなくなる前に譲位したい]

2010年7月22日夜。

皇居・御所の応接室で、

天皇陛下が

自らの考えを切り出された。

天皇・皇后両陛下と相談役である参与、

宮内庁幹部による参与会議で、

【生前退位】が初めて議題に上った。

天皇陛下が明かされたのは

[80歳をめどに譲位し、上皇になる]

との考えだった。

出席者は

[大正期のように摂政を置かれるのが

適切では]などと述べたが、

陛下は当時の摂政設置が大正天皇の

意向に反していたなどとして

[摂政では駄目だ]と否定されました。

会議は長引いた。ひと区切りついた深夜、

両陛下がいったん席を立たれたところで

再び話が始まり、全員が立ったままなお

数十分間議論を続けた。

両陛下を除く全員が

【生前退位】に反対し、結論は出なかった。

[象徴]の意味を自問し続け、

国事行為だけでなく

被災地訪問や戦没者慰霊など

国民に寄り添う活動を続けてこられた

天皇陛下。

その務めを果たせなくなれば

[象徴天皇]とは言えない。

出席者は陛下の信念を

ひしひしと感じました。

その後の参与会議でも

生前退位がたびたび話題になり、

慎重論が相次いだ。

しかし、陛下の固い決意が揺らぐことは

ありませんでした。

それまで、【生前退位】は

[天皇の地位の安定性を損なう]などとして

国会答弁で否定してきた宮内庁も

極秘に検討を開始。実現への一歩として浮上した

陛下が自ら意思表示される案についても

天皇の政治的行為を禁じた憲法に触れないか

専門家の意見を聴くなど慎重に議論を重ねた。

82歳の誕生日を迎える昨年12月の

記者会見で表明する案もあった。

[全身全霊で象徴の務めを果たしていく

ことが難しくなるのではないかと案じている]

天皇陛下は今年8月8日

ビデオメッセージの形で

[お言葉]を公表

参与会議での発言から6年たったが、

当時からの変わらぬ思いを

込められたとみられる文言が並びました。

摂政にも否定的な見解を示された。

特に政府内で注目されたのが最後の

[象徴天皇の務めが常に途切れることなく、

安定的に続いていくことを念じる]との表現。

宮内庁関係者は

[天皇の地位とそれに基づく活動は

一体であるべきだというのが

陛下の持論。

社会も天皇も長寿化するなか、

【生前退位】の

恒久的な仕組みを整えるべきだ]と話す。

[地位や役割分担は]

天皇陛下は憲法に抵触しないよう、

お言葉を

[個人として考えてきたこと]と

説明されました。だが今後の議論は

[陛下の発言内容を意識して

進めざるを得ない]とする

有識者会議の設置で、

議論は政治に委ねられた。

皇室典範改正か

特例法かといった法整備の手法にとどまらず、

退位後の地位や次の天皇との

役割分担など論点は数多い。

[天皇の地位は日本国民の総意に基づく]

(憲法第1条)かつて政府は女性・女系天皇

などの実現策を検討したが、

結果的に棚上げした。今回、

天皇陛下自身の【発言】が

契機になるという極めて異例の

[国民的議論]が始まります。

【生前退位】有識者会議を前に

[日本経済新聞1013]

茨城県の伝統工芸

両陛下が紹介

[ベルギー国王夫妻に]

天皇、皇后両陛下は12日、国賓として

来日中のベルギーのフィリップ国王夫妻と

茨城県結城市を訪問されました。

吹奏楽の演奏や神楽による歓迎を

受けた後、地域の伝統工芸品の

絹織物[結城紬]や桐箪笥などの展示を見学

天皇陛下が

[桐は非常に軽く、早く大きくなるんですよ]

などと国王に説明されました。

結城市は織物業が盛んなベルギーの

メッヘレン市と姉妹都市の関係にあり

同国と交流が深いことから

国王夫妻の地方案内先として

選ばれました。

【皇后さま、オペラ鑑賞】

皇后さまは12日夜、

東京芸術劇場(東京・豊島)を訪れ

日本とイタリアの国交樹立150周年を

記念したオペラ

[ジャパン・オルフェオ]を

鑑賞されました。