大倉敬一氏死去

89歳、月桂冠相談役

胃がんのため京都市内の病院で

死去しました。

連絡先は同社総務部。

密葬を近親者のみで行う。

[日本経済新聞8月18日]

[評伝]

日本酒高級化こだわり

15日死去した大倉敬一氏は

江戸時代から続く京都・伏見の

酒造会社の13代目当主。

祖父は一升瓶の採用など清酒業界に

革命をもたらした。

父は月桂冠をトップメーカーに

押し上げた辣腕で知られます。

1978年に51歳で社長に就き

[私は平凡なんです]と

語っていたが、厳しい時代に営業の

最前線で陣頭指揮した。

酒類の多様化で日本酒が

[酒の王様]の地位を驚かされるなか、

吟醸酒にシフトするなど

日本酒の高級化にこだわった。

生酒を常温で流通できるようにしたほか

一升瓶が当たり前だった時代に

パック詰めの酒を売り出し、

業界をリードした。

92年から8年間、

日本酒造組合中央会会長を務め

阪神大震災では被災した

酒蔵への支援に尽力した。

[人の縁、地域の縁、酒の縁です]

と話していたが

余人をもって代え難い趣があった。

身長193㎝

[年を取って縮んでしもうた]とはいえ

その姿はどこにいても目立った。

温厚な人柄で会社経営の話にも

ゆったりとした風韻が漂った。

(編集委員 中沢義則)

京都・伏見の酒造業界の

けん引役だっただけでなく、

98年から京都市観光協会の副会長

2008年から京都伝統伎芸振興財団

(京都市)の理事長を務めるなど

京都の花街といった伝統文化の振興にも

力を注いだ。

京都府の山田啓二知事は

[伏見の酒の素晴らしさ、花街の伝統文化の

奥深さなど、あらゆる面で教えてを

いただいた]と功績をたたえた。

京都市の門川大作市長は

[90歳近くになられても観光や花街の

文化振興などでトップリーダーとして

献身された]とコメントを発表。

[京都の未来のために尽くされた志を

引き継いでまいります。]と

思いを新たにしました。