再開の記念館

『黒田清輝の気概』

日本の近代洋画の基礎を築いた

巨匠、黒田清輝

(1866~1924年)

その作品を展示してきた

東京・上野の『黒田記念館』が

耐震工事を終え、

2日、再オープンした

2011年の東日本大震災から

ほどなく休館に

入っていたが

新たに代表4点が並ぶ

特別室を設けての再開と

なりました

同館は、

遺産の一部を美術奨励に

役立てるようにとの黒田の

遺言を受け、

構想されました

国の登録文化財でもある

建物が1928年に完成

近年まで今の

東京文化財研究所の庁舎とされ

併せて黒田の画業を

顕彰・公開してきました

ただ

作品を展示する館内の

黒田記念室は

かつては原則的に

曜日限定の公開で

少々立ち寄りにくい印象が

ありました

それが再開にあたって

一般の美術館並みになりました

つまり月曜休館

(祝・休日は開館し

翌火曜休館)といった形

ちなみに入館無料でもある

新設の特別室の方は

新年と春、秋に2週間ずつの

公開とし、現在は12日まで

開室中。

滞仏期の『読書』、

帰国直後の『舞妓』、

アカデミスムの絵画観を

実践した大作『智・感・情』

そして、後の夫人を

避暑地で描いた『湖畔』の

4点がゆったり掛けられている

1891~99年の名作群

改めて見比べると

作風のベクトルは

かなり違います

(一部省略)

来年は生誕150年。

研究動向としては

東京文化財研究所が

黒田宛て書簡の紹介を

続け、昨年秋には

『智・感・情』の

主題に関する新設などを掲げた

植田彩芳子著

『明治絵画と理想主義』

(吉川弘文館)も出た

記念館の再開で

黒田と近代美術の成り立ちへの

関心がいっそう高まることを

期待したい

【読売新聞/文化部 前田恭二】