運動できなくてもメタボ治療
新薬臨床試験へ 東大チーム
肥満が原因で発症する糖尿病や
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を
治療できる薬の候補物質を見つけたと、
東京大学の門脇孝教授(糖尿病・代謝内科学)らの
研究チームが発表しました。
心臓病の合併など様々な事情で病気の改善に
有効な運動や食事制限ができない人にとって朗報で、
チームは、飲み薬の開発を目指して5年以内に臨床試験を始める
計画です。
研究成果は31日付の英科学誌ネイチャーに掲載されます。
肥満の人では、
アディポネクチンという
「善玉ホルモン」の分泌が減り、糖尿病やメタボにつながることが
知られています。
アディポネクチンを薬に出来れば糖尿病などを改善できると
期待されてきたが、
構造が複雑なため、飲み薬としての量産は難しかった。
研究チームは、飲み薬として使えそうな数百の化学物質を試して
アディポネクチンと似た働きをする物質を発見する。
脂肪の多い食事で太らせて
糖尿病になったマウスにこの物質を飲ませて、効果を検証しました。
その結果、マウスの食べる量や体重に変化はなかったものの、
血糖値や中性脂肪の血中濃度が下がった。
肥満による筋力低下を抑える効果も見られました。
マウスに脂肪の多い食事を与え続けると、
120日後に7割が死ぬが、
この物質も一緒に飲ませると死亡率が3割に減りました。
研究チームは
「糖尿病やメタボの改善には日常的な
運動と食事療法が基本だが、心臓や関節などの病気で
運動ができない人も多い。薬が実用化できれば、こうした人々の
治療にも期待できる」としています。
アディポネクチンを1995年に発見した松沢佑次・住友病院長
(内分泌代謝学)の話
「糖尿病の患者の希望になる大きな成果だ。
人での有効性の検証が待たれます」