サイバー有事 対応遅れ
日米連携 中国を念頭
反撃は法との整合性必要
日本が米国とのサイバー防衛の連携強化で
念頭に置くのは、中国の存在だ。
中国政府はサイバー攻撃への関与を否定し、
「むしろ中国は被害者」との主張を繰り返しています。
だが、今年度末に政府がまとめる
「防衛計画の大綱」の策定に向けた中間報告で、
防衛省は、中国軍は他国の政府機関にサイバー攻撃を
行っているとの指摘がある、と言及し、
日本や米国への攻撃に強い警戒感を示しました。
そんな中国のサイバー戦への見方について、
情報セキュリティー会社「ラック」(東京)で
研究所長を務める伊東寛・元陸自システム防護隊長は
「米軍の弱点が、効率性を追求するため戦闘機や
イージズ艦、地上の歩兵部隊などをネットワーク化している点に
あるとみている」と言う。
世界に展開する米軍のネットワーク化を支えるのは
人工衛星だが、それとて危険にさらされています。
米議会の諮問機関は2011年、米航空宇宙局(NASA)の
地球観測衛星がサイバー攻撃を受け、
乗っ取られる危機に陥ったと公表しています。
同省も陸海空自衛隊の指揮統制システムをネットワーク化する
計画を進めており、伊東氏は「人ごとではない」と指摘する。
ただ仮に自衛隊や原発施設がサイバー攻撃で被害を受けても、
自衛権を行使して反撃できるかどうかは、
不透明なのが実情だ。匿名性が高いサイバー空間では
攻撃者が国か個人か特定が難しいためで、
同省幹部は、
「攻撃の中身を見た上で判断するしかない」と語りました。
同省は08-10年度、サイバー攻撃の発信源を特定し、
自ら作成したウイルスで反撃する
「ネットワークセキュリティ分析装置」の
研究試作を行いました。
自衛隊幹部は
「将来的にはこうした攻撃能力を持つことも必要」とするが、
刑法のウイルス作成罪や不正アクセス禁止法との
整合性を取る必要があり、
実現のメドは立っていません。
(讀賣新聞 10月14日(月曜日))