王権の地 最古の木製仮面
奈良県桜井市教育委員会は30日、
同市の大福遺跡で2008年に出土した
2世紀後半の木片が
木製仮面の一部だったと発表しました。
北東約3キロにある邪馬台国の有力候補地・
纏向遺跡で07年に
出土した3世紀前半の木製仮面よりも古く、
国内最古。
一帯は大和王権誕生の地で、市教育委員会は何らかの
祭祀で使われたとみている。
木片はコウヤマキ製で2世紀後半の溝から出土。
その後の研究で、
仮面の半分(長さ23.4センチ、幅7センチ、厚さ0.5センチ)と
判明した。楕円形の穴で目を表し、
口の一部も残っていた。ほおの横にひもを通す穴があり、
人がかぶったらしい。
寺沢薫・同市纏向学研究センター所長は
「弥生時代は鳥の顔をした神を土器に描いたが、
大和王権誕生前後から、こうした人の顔を
持つ神をまつったとみられる」と話している。
仮面は市立埋蔵文化財センター
(0744-42-6005)で31日~9月29日に展示。
月・火曜休館。