「檸檬の書店」丸善復活


梶井基次郎(1901~32年)の小説


「檸檬」の舞台として知られ、2005年に閉店した


京都市中京区の老舗書店「丸善」


15年春、10年ぶりに再開する見通しになりました。


旧店舗近くの河原町通沿いで建て替え工事中の


専門店ビル「京都BAL」に出店する。


「檸檬」は、主人公が爆弾に見立てたレモンを


丸善の店内に置く場面が有名である。


1925年の発表当時、店は三条通にあり、


40年に河原町通に移転したが、


長年、「檸檬の店」として親しまれ、作品をまねて


レモンを置いていく人が多かった。


しかし、相次ぐ大型書店の進出に押され、


2005年に閉店した。


主人公がレモンを買った店のモデルとなった


果物店「八百卯」も同区にあったが、09年に閉店。


「京都BAL」には、建て替え工事が始まる今年1月末まで


丸善と同じグループの「ジュンク堂書店」が営業していたが、


改築後は市民になじみの深い「丸善」として再出発することを決めた。


店舗面積は05年閉店時の2400平方メートルから


3300平方メートルに拡大される。


グループの丸善書店(本社・東京)岡充孝副社長は


「京都で『老舗の丸善がなくなってさみしい』という声をいただいていた。


長年お世話になった地に戻り、期待に応えたい」と話す。


小説「ホルモー六景」で梶井をモチーフにした作家万城目学さんは


「丸善という場所があるから、


レモンを置いたというエピソードが生き生きとイメージでき、


物語が記憶に残る。再開すれば、是非足を運んでみたい」と


歓迎している。(讀賣新聞 社会 32)