祈りとかざり
京都で特別展
仏教と神道の美術を「飾り」という視点から捉えた
特別展「日本美術の荘厳 祈りとかざり」が、
京都市左京区の細見美術館で開催中である。
仏画、仏像のほか、寺で使われた鈴、鏡など
95点を展示。
時代は飛鳥から江戸まで幅広いが、
どれを見ても感じるのが細部まで手の込んだ
職人の技だ。
一つの木を削って作られた「観音菩薩立像」は
法衣のひだまで表現され、
今にも風になびきそうなほど。
仏前を飾るのに使われた
「金銅透彫尾長鳥唐草文華蔓」は、
唐草模様とオナガドリの精細な細工が目を引く。
福井麻純・主任学芸員は
「仏に捧げるために力を注いだ、当時の人の純粋な気持ちが
伝わってくる」と話す。
日本古来の神を表現した像も並ぶ。
元々、神道の世界では人の形をした像がなかったが、
仏教の影響で作られるようになった。
同館は大阪の実業家、細見家が収集したコレクション
約千点を所蔵。初代の細見良(故人)は
仏教美術を熱心に集めたが、琳派の作品の
豊富さでも有名。今回は開館15周年の特別展第2弾として
企画された。
7月21日まで(月曜休館)
6月18日から一部の展示品を入れ替える。
一般千円など。
お問い合わせは同館
(075-752-5555)
(村瀬信也)