【不動明王】
東寺(教王護国寺)・講堂(京都市南区九条町)
探訪 古き仏たち
異形の4像従え にらみ利かす
東寺の講堂に初めて入った時の驚きは忘れられない。
21体の尊像がずらりと並んだ迫力、
明王像のすさまじい怒りの形相と顔や手がたくさんある奇怪な姿・・・・。
奈良の寺とはまるで雰囲気が違う。拝観していて、
誰かに睨まれている感じがした。不動明王坐像の大きな鋭い眼だった。
堂内は、中央に大日如来を中尊とする五仏、向かって左に
五大明王、右に五大菩薩が安置され、この3群15体の周りに
四天王など護法神6体が配されている。21体の構成と配置は
弘法大師空海が独自に考え出した曼荼羅とされ、
密教の世界観を彫刻で立体的に表わしている。
とくに目をひくのが五体明王だ。
救いがたい衆生を教化するため、ふん怒相の恐ろしい姿で現れる。
不動明王はその中尊。座った状態の像高が173㎝の巨体だ。
両目をかっと見開き、上の歯牙で下唇をかんで、にらみをきかせる。
右手の剣は悪を絶つ仏の力のシンボルだろうか。
左手のけん索は教えに背く者を縛って教化するという。
光背の赤い炎は煩悩を焼き尽くす火を思わせる。
周りの明王4体はともに多面多ひの怪異な姿で、ふん怒相がいっそう激しい。
例えば、大威徳明王は顔が6面、手と足も6本で水牛に乗っている。
五大明王は空海が唐から持ち帰った図像を基に造られたという。
これほど異形の姿の仏の造像は手本の図があったにせよ難しい。
仏師を指導して破綻のない巧みな彫刻にまとめた空海の力はすごい。
東寺は京都のシンボル、日本一高い木造五重塔で知られる。
平安京遷都(794年)後、官寺として創建されたが、
造営途中の823年、空海に与えられた。
唐で密教の秘法を授かって帰った空海は東寺を密教の根本道場とした。
空海の真言密教は即身成仏の現世的な教えや、独自の新しい修法が怨霊の
調伏や雨乞いに霊験があると、平安貴族たちに広まった。
東寺の仏像には奈良仏教とは違う新しい仏教の教義が表現され、
新時代の到来を告げている。(ASAHI フリーライター・沖真治)
今回からタイトルを改正し、奈良県以外の古仏も訪ねるそうです
私は、最近この特集が大好きで楽しみにしているので掲載させて頂いております。
京都駅から近鉄電車に乗り、奈良方面へ向かう途中すぐ東寺駅があります。
車窓からは何度も拝見した事があるのですが、まだ一度も行ったことがないので
近いうちに行きたいです。
平安京守護のために建立された名刹東寺は東寺駅の西側。
毎月21日の弘法市は掘り出し物を探す大勢のお客さまで賑わいます
【素描・案内】
*国宝、839年開眼
*ヒノキの一木造り
*不動明王として最古
*東寺夜桜ライトアップが14日まで開催中
<東寺>
山号:八幡山
宗旨:東寺真言宗
寺格:総本山
本尊:薬師如来(重要文化財)
創建年:延暦15年 (796年)
開基:垣武天皇
正式名:金光明四天王教王護国寺秘密伝法院
宗教法人公称:教王護国寺
正式名別称:弥勅八幡山総持普賢院
別称 左大寺
札所等: 真言宗十八本山 第9番
西国愛染十七霊場 第8番
洛陽三十三所観音霊場 第23番
京都十三仏霊場 第12番
都七福神 (毘沙門天)
神仏霊場巡拝の道 第84番
京都十二薬師霊場 第2番
文化財:金堂、五重塔、御影堂、蓮花門
絹本著色真言七祖像、不動明王坐像ほか(国宝)
世界遺産