宇宙の夢 追いかけた歌声
英国の歌手サラ・ブライトマンが4年ぶりのアルバム
「ドリームチェイサー(夢追人)」を出した。
2015年に幼い頃から夢だった宇宙旅行を計画しているサラは、
「コンセプトは夢を追いかけること。詩的で美しい宇宙の姿を
思い浮かべてもらえると思う」と語る。
8歳の頃、アポロ11号の月面着陸を白黒テレビ画面で観て
心揺さぶられた。
「宇宙飛行士が力強い一歩を踏み出す姿に、
人間ってなんて素晴らしいんだろう、
私もきっと何かできるんじゃないかと思った。
私にとって大きな力となる出来事でした」
宇宙旅行はそれ以来の念願だ。
再来年秋にロシアの宇宙船ソユーズに乗って
宇宙へ旅立ち、国際宇宙ステーションから歌声を届ける予定だという。
「私は夢を見る人間ではなく、夢を追いかける人間。夢を追う私の姿が
誰かの心に触れ、その人自身の夢を追うきっかけになれば」
今回のアルバムにも、そんなサラの思いが色濃く反映している。
ミュージックビデオに幼少期のサラとロケット発射の映像を使った
「星空のエンジェル」や、小説「星の王子様」に着想を得た
「B 612」など、宇宙を想起させる壮大なスケール感の楽曲が並ぶ。
心浮き立つようなポール・マッカートニー&ウイングス
「ビーナス・アンド・マース」のカバーがあれば、
ポーランドの強制収用所に残された少女の詩を題材にした
クラシック曲「レント・エ・ラルゴ」も。
「ユーモアあふれる明るい側面と、シリアスで悲しい側面。
人間には両面がある。地球という惑星、
そして宇宙の多様性を感じてほしい」と話す。
宇宙旅行中はユネスコの平和芸術家として、
資源の保護や女性教育の促進を呼びかける。
「宇宙から宝石のような青い星を眺められると
思うとワクワクする。地球の未来のために
一人ひとりがいかに責任を果たすべきか、
メッセージを発信していきたいですね」
7月には来日公演を予定している。
(神庭亮介 ASAHI 夕刊)
http://www.sarah-brightman.com ←