世界でたたかうチカラ
「日本人の美徳を見直し、誇りをもち、
覚悟をもって世界に打ってでるべき」
世界的に活躍している建築家の安藤忠雄氏の
インタビュー記事より(ASAHI 1/14 13版)
「今、アジアはものすごい勢いで発展しているのに、日本は完全にその動きから
取り残されています。日本はなぜこんなに停滞してしまったのか。
中国やインドの人が心配しているほどです。
このままの内向き志向が続けば、この国は間違いなく沈没するでしょう」
現在、中国で20以上のプロジェクトに携わっている安藤さんは、
エネルギッシュなアジアの人々と仕事をする度に、そんな思いを強くするという。
「彼らは正しいと思ったことは何でもはっきり言うし、決断や行動も速い。
うちの事務所に見学に来ても、どん欲に何か吸収しようと目を輝かせています。
残念ながら、日本人からは彼らほどの熱意や気迫を感じません。
そんな日本人が、アジアの人々に勝てるわけがないでしょう」
日本の若者の覇気のなさに危機感をもつ安藤さんは、
事務所に入ったばかりで何も分からない若いスタッフを、あえて海外出張に
どんどん行かせるという。
「海外の仕事は文化や生活習慣、法則制や職人の気質がそれぞれ異なり、
日本のやり方ではスムーズに進みません。異国の地で思うようにいかないことだらけの
状況のなかで、途方にくれながらも、必死で解決策を考える。
そんな体験によって、若者たちは見違えるほどたくましくなっていきます」
歴史を振り返ってみれば、日本人が必ずしも内向きで元気がなかったわけではない。
「日本は明治維新と第2次世界大戦の復興という、世界史における奇跡を2度起しています。
明治維新の精神的リーダーだった吉田松陰は世界を見ようと命がけで密航を企てたし、
福澤諭吉らは夜も寝ずに西洋の学問を勉強しました。
戦後は本田宋一郎さんや盛田昭夫さんらが世界のホンダやソニーを築きあげました。
これからの日本は、彼らのように世界スケールでものごとを考え、行動できる
志の高い人間を育てる必要があります。
また東日本大震災による莫大な被害を受けた今、日本は3度目の奇跡を起す必要が
ある、と安藤さんはいう。そのために、世界とどう向き合っていくべきなのだろう。
「西洋を追い続け、経済的な豊かさは手にしたものの、
日本は自然や地域社会、家族といった大切なものをないがしろにしてきました。
今こそ日本人は、四季折々の自然とともに培った繊細な感性や思いやりの心、
忍耐力など、自分たちの美徳を見直す必要があります。
自国に誇りをもち、覚悟をもって世界に打ってでるべきです。
アジアの一員として世界に貢献していこうとの視点も大事です。
省エネやリサイクル技術など、日本人が秀でたものを広めていけば、
世界でリーダーシップを発揮することは十分可能です」
世界で戦い、世界に貢献するための武器は、
自分たちの足元にこそある、ということだ。と、
世界的に活躍している建築家の安藤忠雄さんは提言。
さぁぁ~どうする??日本人の皆さま、どうする?どうしましょ?