「競い、理解し合う2人」
日本占領下の朝鮮半島で出会った
日本人と朝鮮人の少年が
お互いに憎しみ合いながら成長し、
第2次世界大戦の戦場で生き抜こうとする
韓国映画「マイウェイ 12,000キロの真実」が
14日から全国で公開されている。
監督は「シュリ」のカン・ジェギュ監督
日本と韓国のスター俳優を主役に配し、
「戦争の悲劇性よりも、境遇の違う2人が理解し合う大切さに重点を
置いた」と語る。映画製作のきっかけとなったのは、
第2次世界大戦の1枚の写真だった。
フランスのノルマンディーに上陸した
アメリカ軍が、捕虜にしたドイツ兵を撮った中に、1人の東洋人が写っていた。
「この写真から想像を膨らませ、
朝鮮半島からノルマンディーに辿り着いた青年2人の
物語をつくった。この苦難の道のりと重ね合わせるように、
2人をマラソン走者を夢見た人物にした」
主人公は、日本軍の憲兵隊司令官を祖父に持つ辰雄(オダギリジョー)と
使用人の息子ジュンシク(チャン・ドンゴン)
幼い頃から走ることが得意な2人は競い合い、
五輪を目指すランナーに成長する。
しかし、民族の違いは彼等の友情を許さない。
戦争が近づき、辰雄は走ることを捨てて日本のために軍人となり、
ジュンシクは日本軍に強制徴用される。
「1936年のベルリン五輪では、朝鮮半島出身の孫基禎が
日本選手としてマラソンで優勝した。当時は日本にも占領下の
朝鮮にも素晴らしい選手がおり、
戦争がなければ
40年に開催予定だった東京五輪を目指したはずだ。
そんな歴史的背景を盛り込んだ」
辰雄とジュンシクは39年、中国東北部で日本軍とソ連軍が
交戦したノモハン事件で、ソ連の捕虜となり、欧州戦線に送られる。
2人はソ連の軍服を着て戦い、生きるために脱走するが、
ドイツ軍に捕らえられ、今度は連合軍との戦いにかり出される。
戦闘シーンでは、臨場感を出すために最新のカメラと映像技術を駆使。
エキストラとしてドイツ、ロシア、アフガニスタンなどから延べ
7千人が参加した。
「戦場の過酷さ悲惨さをリアルに描いたのは、戦争の恐ろしさを
伝えたかったから」
終盤、マラソン走者への夢を捨てなかったジュンシクは、辰雄に
出会った少年時代を「競争相手が出来て嬉しかった」と振り返る
「希望を持ち続けること。そして、相手を尊敬しながら競い合うこと。
国と国の関係も同じで、互いに理解することが、戦争を避ける道だと思う」
【朝日新聞記事:長谷川千尋文より全文引用致しました】