中国の「辛亥革命」

100周年を記念した「1911」(公開中)で総監督兼主演を務めた。

ジャッキー・チェンが扮した黄興は、革命を主導した孫文の右腕。

だが、孫文の陰に隠れてあまり知られていない存在だ。

「台本を読んで、僕も黄興のことを知った。

多くの若者にこの歴史をもっと知ってもらいたい、と

新作『十二支』の製作を中断して、この映画に参加した」と話す。

辛亥革命は、清朝を倒してアジアで最初の共和国を建設した。

だが、武器も少なく、諸戦は苦戦。

革命軍司官の黄興は、幾度も敗れながら粘り強く戦い続けた。

「この人物をとても尊敬している。負けず嫌いなところは僕も同じ。

僕の方が背が高いし、ちょっとハンサムだけどね」

今回は、肉体的というより、精神的にタフな役。

「しゃべり方、演じ方、所作に細心の注意を払った」。

息子のジェイシー・チャンも革命軍側で出演したが

「シリアスな映画なのに、親子が同じ場面に出てきたらしらける」と

一緒に映らないようにしたという。

孫文と黄興は「中国同盟会」を東京で結成、辛亥革命は日本とのかかわりも深い。

戦いでは中国の若者が多数、命を落とした。

「金持ちの家に生まれた子も多かったが、理想のために命を犠牲にした。

今の若者は『得る』ことばかり。死ぬ必要はないが、

映画を通して『与える』ことについて考えて欲しい」

ジャッキーの言葉に重みがあるのは、自らが手本を示しているからだ。

香港で4月、東日本大震災の被災者を支援するチャリティーイベントを開いた。

さらに、数百億円ともいわれる全財産を、死後に寄付すると公言する。

「半分はもう寄付済み。何で子供に財産を残さないのかと、よく聞かれる。

でも、子供に才能があれば親の金を使わなくてもいいし、

才能が無ければ散在してしまうだけ」

「小さい時に貧乏で、いろんな人にお世話になった。だから、自分に約束した。

もし自分に能力があったらほかの人を助けようと」

「もう57歳、お金は重要ではない。若い人のために映画を撮って、後世に残したい。

『1911』は、僕にとっても記念すべき映画になりました」 

 

文・西田健作 朝日新聞2011/11/12 芸能記事


私が小学生から憧れていたブラウン管の中で

拳法で襲い掛かる敵と戦うジャッキー・チェン。

将来会うために『中国語』を勉強するはずが

未だに何も実行出来ずに歩んできた人生だけれど

ジャッキー・チェンの人生は

私にいつも夢を与え続けてくれている。今もこの時も