※2021年の直腸癌発覚から手術後までを振り返る闘病記(23話目)です。
「違う!違う!この方はストーマ(人工肛門)の方だから!」
画像撮影をするスタッフに注意を促すために女性医師が言った一言。
この画像撮影後に主治医と今後の治療方針を話し合う事になっている。
この日を迎えるまで、あくまでも「人工肛門になる可能性が高い」と言われていたため、今日の面談次第では肛門を温存できるのではないかと僅かな希望を持っていた。
しかし、主治医との面談を前に既に人工肛門造設を前提に話が進んでいるように感じた。
愕然とした。絶望した。
患者である僕が納得も了承もしていないのに話が進んでいる事に恐怖を感じた。
こんな屈辱はこれまでの人生で味わった事がなかった。
歯を食いしばり、拳を固く握って怒りに耐えるしかなかった。
悔し涙を必死に堪えた。
ようやく検査が終わり「お疲れ様でした。」と声をかけて来た女性医師。
「ありがとうございました。」とお礼を言ったが、心の中では込み上げてくる怒りを必死に抑えていた。
そして主治医の待つ診察室へ向かった。
つづく
作・九州男