「町田康大絶賛」という帯に惹かれ購入。
気付けば、先に芥川賞を受賞した作家さんだった。


車谷長吉的な自己の退廃的な生活を克明に告白していくような私小説。
町田康のあとがきにもあったが、体裁が悪いのに面白い稀有な作家さんだと感じた。
そこらへんのありえない感動話よりよっぽど僕には好感がもてる。






小銭をかぞえる (文春文庫)/西村 賢太

¥500
Amazon.co.jp





当ブログの記事は毎回テーマで区切っている。だいたいは作家名だが、中に「ノンフィクション」というのがあり、今回はその「ノンフィクション」に迷った末選んだのだが、そこで思った。

ノンフィクションかフィクションかは何を基準にしているのか。

例えば本書の「山西省残留」の件。
国は、これは嘘だと言っている。
でも誰が見ても明らかに本当なのだ。

だから国の立場に立てばフィクションになるし、個人としてはノンフィクションとなる。
曖昧だ。

正しいと思い込んでいたことがある日突然正しくなくなる。裏切られる。
これはすごくこわいことだ。

その最たるものは国だろう。
我々は無意識のうちに国を頼っている。
最後には正しく導いてくれるだろうとどこかで思っている。
あるいは、国さえもが裏切るのであれば、もう何も信じるものはなくなってしまうと。
でも実はそんなことはない。
器が大きければ大きいほど、あっさりと裏切るものだ。
国もしかり、企業もしかり、学校もしかり。
様々な利害が錯綜しているから。

僕も気をつけないといけない。







蟻の兵隊―日本兵2600人山西省残留の真相 (新潮文庫)/池谷 薫

¥460
Amazon.co.jp