確かに本書導入で筆者に指摘されるまで
僕も気にしたことはなかった。

山本五十六が戦死した際に護衛として出撃した六機の零戦のこと。


本書は陸軍大将連合艦隊司令長官、山本五十六を死なせてしまった(と内外からどうしても見られてしまう)六人の飛行機乗りのその後を追ったドキュメンタリー風小説になっている。

筆者曰く
若い六人のパイロットたちは、山本の死を秘匿するために、その命令のために、ついに黙して語ることなく、その罪を一身に負うて南冥の空に消え、いまは、その消息さえもさだかではない。
その歴史の空白を、私は少しでも埋めてみたいと思う。無名なるがゆえに、この不条理のいけにえとなって、一つの時代の流れの中に埋没させられ、忘れ去られようとしている主人公たち━六機の護衛戦闘機に、いまひとたびの生命を、私はあたえてやりたいと思う。


面白い面白くない、優れているいないは抜きにして
これは筆者渾身の作品ではあるのだろう。





六機の護衛戦闘機 (中公文庫)/高城 肇

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