タイタニックという映画が好きです。

こう言うと、意外だ、とよく言われますが、
それはあの毒々しい恋愛ドラマをメインに考えるからで、
僕が好きなのはもちろん、それ以外の部分のことです。


人の価値は「いざ」という時の行動で決まる。

一応これが僕の人間判断時の基準なのだが、
そこへいくとこの事件はまさに「いざ」。

人々がどういう行動をとったのかが詳細に記されている本なのです。
ただ、なにせ生き残ったのはほとんど一等客船の人々なのだから、嘘だの誇張だのが証言には多分に混じる。その分を差し引いて読むべきだと思う。


あるお金持ちの老紳士は、望めばボートに乗ることができる身分にも関わらず、きちんとした正装に着替え、椅子に泰然と座り、最後の時を待っていた。。

我先にボートに飛び乗って、というのは論外だが、僕が思うに、こういうエピソードにも隠れた落とし穴があると思う。

そもそも助かる可能性があるのに命を無駄にするのを、僕は好まない。全然好まない。あがいてあがいて、あがくべきだ。他人を押しのけてでも生き残ろうとするのが真の人間のあるべき姿だと思っている。

三浦綾子さんの受け売りだが、ひとつの命は、それこそ何万年という年月を先祖から受け継いできた結果なのであって、簡単に、はいそうですかと死ぬわけにはいかない。

「銃口」に書いてあったことなのだが、なるほどと思った。
新しい発見だった。
この年で新しい発見ができる。それこそ読書の醍醐味なのだろう。