- 三崎 亜記
- となり町戦争
タイトルに惹かれ、冒頭を立ち読みして購入を決意。
なかなか興味深い出だしでした。
戦争という、現代では非現実的なことが急に日常に入り込み、
それでいて主人公にはその実態がいつまでもわからない。
唯一戦争が行われていることを確認できるのは、町が定期的に発表する戦死者の数だけ。
そんな話です。
でも実際に、日本政府から、
じゃあ明日から戦争を始めます。20歳以上の男子は近くの役所に来てください。
というような布告を出されたとしても
僕らにはそれを止める力はないのだろう。
戦争に対するリアリティがない分、実際起こった時のリアリティも思い描けないから、
逆にいくらでも残酷なことが思い描けたりする。
この物語に出てくる“主任”のように。
この小説は映画化されるらしい。
映像にするほどの価値が果たしてあるのか、という疑問はあるが、
まあ僕には関係ない。
その発想が面白く、この本を読んでいる何時間かはほのかな幸せを味わえただけで
僕は満足なのだ。