- 山田 宗樹
- 嫌われ松子の一生 (上)
- 山田 宗樹
- 嫌われ松子の一生 (下)
最初に言っておくが、今度映画化されるから読んだ訳ではない。
そんなミーハーではない。
純粋にタイトルに惹かれたからだ。
始めはコメディかなと思った。そのタイトルから。
でも違った。
不幸な女が若者にリンチされて殺されるまでを追うという話だ。
そんな不幸まみれの松子を描き、本当は松子は情愛ゆたかで人を愛することに長け、忍耐強い。
読者にそう感じさせて作者が何を伝えたいのかは知らない。僕の読む力が足りないからなのか、そこまで理解することは残念ながらできなかった。もし裏に隠されている教訓めいたものを作者が意図的に隠していたとするならば、だが。
正直、ふーんという感じだった。へえー。まあ、そういう人もあるし、そういう人生もあり得るなと。
人の不幸はみんな楽しいものだ。それが人間というものだ。
口では同情めいたことを言っても、結局は楽しい。というより、他人の不幸を見て、自分の生活を[許す]のだ。
あの人に比べたら私の方がまだ幸せだと。
そんなテンションで読ませてもらった。
確かに娯楽として楽しいし、文章もうまい。展開は読めるが(それは意図的だろう)、うずうずと早く先が知りたくなったのも事実だ。
しかしだ。
わざわざ映画化するほどの本かなとも思ったのも事実だ。
「松子の役をやるために女優になったのかもしれない」と中谷美紀は言ってるらしいが
果たしてそんな価値のあるものなのか、一読者としては甚だ疑問に感じざるを得ない。