石油などの原料高で景気が停滞していた所に、米国の低所得者向け住宅融資のサプライム・ローンの焦げ付きに端を発した金融危機が世界に波及し始めた。金融工学的な手法でサプライム・ローンなどを複数の証券として世界的に多量に転売されたのが事の発端のようだ。同時に焦げ付いた場合のリスクも世界に拡散して行った。米国の住宅バブルが崩壊してローンの支払いが滞ると証券化された商品の価値は急速に下落していった。証券化された債権の転売が繰り返された結果、実態が不透明となり損失とリスクの疑心暗鬼で投資家が企業の株を売り始めた。損失を少しでも回避したい市場の疑心暗鬼と弱気が更なる株の下落を招いている状況だ。

経済のグローバル化も今回は裏目に出ている。危機は金融立国を進めていた英国やアイスランドなどEU諸国や米国を信用して債権を多量の買っていた中国などの振興国にも波及している。金融工学的に遅れていると批判されていた日本は相対的に傷は浅いと言われているが、ドル下落に伴う円高が進み輸出の停滞や国内消費の落ち込みが懸念され、保険会社が破綻し、更に株安を招く悪循環になっている。政治はこの危機を乗り切れるのかという正念場にある。