この街にいる。

4年前に。もう二度と会えないと覚悟したはずなのに。
それでもどこかでいつもあなたを探していた気がするのは

音もなく降り注ぐ冬の誘いか。

凍てついた窓を開けると

雪の香りが肌をかすめてゆく。

逢いたい。
胸の奥底に沈めた想いが。

行きあてもないまま
さまよいながら
街のなかに溶け込む

愛なんてつかの間の幻なんだと。

あなたはまた何も告げずに
この街を去るだろう。

手を伸ばしてもどこか遠くへ飛んでいく。
愛のような。
闇のような。

吹き抜ける哀しみを
どうか僕にも。



街が色を変える。

夜明けが遠退き
目覚めてもまだ
闇の中だ。

肌に触れる空気は
痛みとともに
感覚を麻痺させ

凍てついたのは
皮膚なのか

それとも。

僕の心か。

泣きたいのを必死に堪えて
頑張ってる君を

大丈夫だから、と
自分に言い聞かせるように
僕に話す君を

見てるのに。
こんなにそばでみてるのに。

何もできなくて泣けてくるんだ。

どうしようもできないことがあることを知るたびに
どうしようもなく泣けてくるんだ。

ミテミナイフリはできない。
でも。
それでも。

今の僕にできるのは。
今の僕にできることは。
ただひとつだけだから。

君を見守ること。

ただそれだけだから。

僕がいる。
ここにいる。
お願いだから。
そのことだけは忘れないで。
どうか。
忘れないでいて。