日付がかわる刻のころ
彼女がふいに私の名を呼んだ。
決壊した彼女の心は
涙となって
止めどなく頬をつたい溢れ行く。
己の無力さを知る。
彼女を襲う人間の無慈悲な性にこみ上げる怒りを覚えつつ
為す術もなく
ただただ全身が震えるのをじっとこらえる。
集団の恐ろしさ。
善人に思えていた人が
いとも簡単に
一瞬にして悪に染まる。
圧倒的なその波に呑み込まれぬよう、必死に立ち続ける彼女の姿が。
痛み、傷み。
最早手遅れの状態であると
まざまざとこの目に映る。
焼き付いて脳裏から離れない、どうしようもない孤独。
このどうしようもない孤独の前ではどんな言葉も虚しく無意味に流れるだけだ。
彼女から笑顔が消えた。
気づいてたのに。
彼女から笑顔を奪うまで追いつめたのは。
私だ。
私なのだ。