『ジューンドロップ☆』

 

 

『6月頃、

 若い果実が自然に落ちることを「ジューンドロップ」という。

 樹木が身を守るため、

 なり過ぎた果実を自ら落とす現象である。

 

 俳人の坪内稔典さんが

 著書『俳句いまむかし』(毎日新聞出版)に

 つぎの句を取り上げていた。

 <ジューンドロップコロコロ良く笑う>(佐々木麻里)。

 豊作なら、

 果物と農家がともに頬を緩めて笑い合えるのだろう。

 

 サクランボの産地、

 山形から気の毒な報が届く。

 出荷量が大幅に落ち、

 昨年の4割にとどまる地域もあるという。

 5月下旬、

 昼夜の寒暖差が大きくなった頃に悲運が始まる。

 

 樹木が季節を勘違いし、

 実の着色が進んだ。

 サクランボは色づくと成長が止まる。

 小さめの実が増え心配していたところ、

 つぎは高温である。

 売り物になる実が一気に熟し、

 摘み取る前に傷んでしまった。

 育てた果実を自らの手で落とし、

 廃棄する農家の思いは想像にかたくない。

 

 軽妙洒脱(しゃだつ)な作風で知られた俳人、

 星野麥丘人(ばくきゅうじん)の句を思い出す。

 <さくらんぼ明るき雨の歌詠まな>。

 甘みはもとより、

 名や姿形のかわいらしさから梅雨時の憂さを和らげる果物だろう。

 豊かな実りの復活を願う。』

 

 

 

これは、

2024年(令和6年)6月28日(金曜日)の

讀賣新聞『編集手帳』欄の記事です。

 

 

 

今年のサクランボ🍒

 

不作のようですね^^;

 

 

 

 

 

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