『世の中は澄むと濁るで大違い☆』
『「世の中は澄むと濁るで大違い」
とはじまる狂歌の言葉遊びがある。
「福(ふく)は徳(とく)なり、ふぐは毒(どく)なり」
といった下の句を合わせていく。
「ためになる人、だめになる人」
とつづく句も知られている。
今年の早稲田大入試で発覚した男子受験生の不正に頭をよぎった。
カメラ・通信などの機能をそなえる眼鏡型の
「スマートグラス」
を使い、
試験問題を流出させた疑いが持たれるという。
外部の誰かに問題を解かせるためとみられる。
本来は人の「ためになる」便利な道具を、
自分を「だめにする」のに使用した例だろう。
試験の邪魔をした偽計業務妨害の容疑で近く書類送検される。
受験生は合格していなかった。
あげくの果てに事件の容疑者になるのであれば、
これほど愚かなことはない。
たとえ合格して不正がばれなかったとしても、
どんな心持ちでその後の生活を歩むのか。
澄むと濁るの違いを、
多くの受験生に長い人生を想像しながら考えてもらいたい。
手元のスマートな電子機器は今後ますます機能性を高めて、
誘いをかけるだろう。
「しけん」
を
「じけん」
に変える誘惑である。』
これは、
2024年(令和6年)5月16日(木曜日)の
讀賣新聞『編集手帳』欄の記事です。
「世の中は澄むと濁るで大違い」とはじまる狂歌の言葉遊び☆
恥ずかしながら、初めて知りました^^;
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