『<毎日の暮らし><毎日の苦らし>☆』

 

 

『<毎日の暮らし>を<毎日の苦らし>と書いた大学生がいた。

 劇作家の井上ひさしさんは、

 すばらしい誤字ではないかとエッセーでたたえた(「誤字脱字」)。

 

 インフレ地獄という言葉が飛び交った昭和のひところである。

 思えば、

 デフレ地獄とは聞かない。

 食べ物や洋服の値が下がるのは消費者には一見ありがたい。

 まあいいか、

 と油断しているうち、

 「失われた30年」と呼ばれるうつろな時間を過ごした。

 

 物の値段とともに賃金は先進国下位となり、

 そこに物価高が押し寄せた。

 暮らしが苦らしへと進むなか、

 春闘が始まる。

 

 厚生労働省の調査によると、

 賃金の伸びは2年連続で物価上昇率を下回ったという。

 国と経済界、

 労働界が一体となってめざす「賃金と物価の好循環」

 を実現するには一層の賃上げ努力が必要なことは言うまでもない。

 これほど物の値段が高いのに、

 政府いわく「デフレは完全には終わっていない」。

 好循環を生み出さないかぎり、

 以前に戻りかねないということのようだ。

 

 危難の実感の乏しさから失われた経済の30年だろう。

 このえたいの知れなさは子供たちに残したくないものである。』

 

 

 

これは、

2024年(令和6年)2月8日(木曜日)の

讀賣新聞『編集手帳』欄の記事です。

 

 

 

<毎日の暮らし>を<毎日の苦らし>と☆

 

なるほど!

 

すばらしい誤字!?かも知れませんね^^;

 

 

 

 

 

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