『雁風呂の伝説☆』

 

 

『すさまじい距離を飛ぶ渡り鳥への驚きから生まれたのだろうか。

 津軽半島を舞台にして各地に広がる俗信がある。

 

 雁(がん)は木片をくわえて飛び、

 疲れると海に浮かべてその上で羽を休める。

 飛来したら浜辺に木を置いて南へ旅を続け、

 春には同じ木をくわえて北へ帰っていく。

 浜に残った木は、

 冬を越す間に死んだ雁のものである。

 人々はそれらを拾い集め、

 風呂をたいて悼んだ。これを「雁風呂」という。

 

 コロナに加えてインフルエンザの流行も気がかりだが、

 鳥の世界は既に苦難にある。

 渡り鳥がウイルスを運ぶらしく、

 各地の養鶏場で鶏が殺処分されている。

 

 国内最大のツルの越冬地、

 鹿児島県出水市では、

 ナベヅルなどから鳥インフルが検出され、

 一帯の車を消毒した。

 国の特別天然記念物、

 タンチョウを北海道で観察する中学生も靴を消毒している。

 人間は車や靴を介してウイルスを広げかねない。

 鳥たちの安らかな共生を願う心情が伝わる。

 

 手元の歳時記に、

 津軽とご縁があるだろう俳人の作品を見かけた。

 <雁風呂の煙とどかぬ北の天>(金子野生)。

 これも、

 遠地を旅する小さな命を思いやる作句だろう。』

 

 

 

これは、

2022年(令和4年)12月18日(日曜日)の

讀賣新聞『編集手帳』欄の記事です。

 

 

 

雁風呂の伝説☆

 

初めて!知りました^^;

 

 

 

 

 

にほんブログ村、ブログランキングに参加しています。

https://illustration.blogmura.com/analogillust/ranking.html?p_cid=10118742

 

人気ブログランキングに参加しています。

https://blog.with2.net/link/?id=2057804

 

※ 過去に掲載した『HOPPYの部屋』の挿絵を順次アニメーション版に編集してYouTubeにアップロードしています。

ご覧頂ければ幸いです。

https://www.youtube.com/channel/UCPWEs5yMmize10tomabmRIw/videos?view_as=subscriber