『吾れ日に三たび吾が身を省みる☆』

 

 

『大手書店の屋号に使われる「三省」は、

 『論語』の学而(がくじ)編を典拠としている。

 <吾れ日に三たび吾が身を省みる>。

 人のために真心を尽くせたか。

 友に接して誠実でいられたか。

 私は日に何度となく自省する、

 と。

 孔門の人、

 曽子の言葉と伝わる。

 

 一言一句に隣人の横顔が重なり、

 涙の塩にも似た味わいで鼻の奥が痛くなる。

 といっても14億人の方ではない。

 東日本大震災では多額の義援金と救援物質の心尽くしを受けた。

 新型コロナ禍の混乱に際し、

 マスクの寄贈という誠実な友情に触れたのも記憶に新しい。

 

 大陸からの恫喝に北風に吹きさらされる。

 2300万人の隣人である。

 今回、

 感染拡大が深刻な台湾に124万回分のワクチンを送ったところ、

 時を移さず蔡英文総統から深謝の言葉が届いたことは、

 多くの方がご存じだろう。

 小紙も濃(こま)やかな心遣いを受けている。

 

 過日に掲載した「感謝」と「ありがとう日本!」の全面広告である。

 約130の台湾系企業、団体などが共同出資したという。

 広告文には

 「この恩義は、永遠に我々の記憶に残る」

 ともあった。

 日本も、

 ことごとに差し伸べられた隣人の手の温もりを忘れていない。

 

 14億人の国は、

 「三省」の教えに頭を垂れるようすもない。

 日本が提供したワクチンを

 「期限切れ間近」とくさし、

 声明で「台湾海峡の平和と安定」に触れたG7には

 「内政干渉」の一点張りである。

 その巨体ゆえ、

 鏡に映る自分の姿など見たこともないのだろう。

 

 不正直な者、

 不誠実な者、

 口先だけの者。

 「損者三友」という。

 付き合えば自分にあだをなす友の3類型で、

 これも『論語』の中にある。

 日台の縁を書いたいま、

 補足は不要だろう。

 馬耳東風を承知の上で、

 かの大国に「内省勧奨」の言葉を贈る。』

 

 

 

これは、

2021年(令和3年)6月20日(日曜日)の

産経新聞『産経抄』に記事です。

 

 

 

<吾れ日に三たび吾が身を省みる>

 

 

心したいものです^^;

 

 

 

 

 

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