アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

2022年8月19日に「金曜ロードショー」で放映されるので、参考のため2020年8月に掲載した「ネタバレの感想」を再掲載する。

 評価 5/5 ☆☆☆☆☆

 私は宮崎駿監督作品が好きで全部作品見ているので、1988年の公開当時も劇場で見て、とても楽しく、そして感動した。当時は独身だったが、子供が生まれてからは、子供も大好きでビデオテープが擦り切れるほど何度となく見たものだ。

 まず、オープニング曲の『さんぽ』が楽しく、映画への期待を持たせる。エンディング曲の『となりのトトロ』も明るく、歌詞が映画の情景にぴったりで感心した。どちらの歌も、井上あずみの澄んだ声が美しい。

 映画の時代設定は昭和30年前半だそうで、私の世代よりは少し前であるが、田舎の祖父母の家で見たような、薪で沸かすタイル張りの風呂、ご飯を炊くかま、井戸、3輪トラックなどが登場するのが懐かしい。家の周りの農村風景がのどかで、家の裏には深い森と大きなクスノキがあり、このような場所ならお化けが出ても不思議ではないかもしれない。

 サツキとメイが勝手口を開けると、無数のマックロクロスケが急いで逃げて行くのに驚いた。実際にこの状況に遭遇したら怖いと思うが、マックロクロスケが可愛いので怖くないのが面白い。サツキとメイは大声を出して、怖い気持ちを隠すのも可愛い。風呂場で父親が「笑うとおっかないのが逃げる」と言っていたが、親子が似ていて面白い。その後、小トトロ、中トトロ、大トトロが登場するが、どれも可愛い。大トトロを初めて見たら怖がりそうだが、メイが怖がらないのは無邪気だからか。雨の中、バス停で大トトロがネコバスを待つ場面が可笑しい。ネコバスって定期バスだったの?乗ってみたいが、「三鷹の森ジブリ美術館」のネコバスは子供しか乗れないのが羨ましかった。子供だけが『トトロ』を好きなのではなく、大人だって好きなのに不公平である。お化けは子供にしか見えないからか?2016年に六本木ヒルズ展望台で開かれた「ジブリ大博覧会」のネコバスは大人も乗れたので、念願がかなって感激した思い出がある。

 お化けだけでなく、登場人物も魅力的である。サツキは入院中のお母さんに代わって料理を作ったり、弁当を作ったり、12歳に見えないくらいしっかりしている。でも気丈に振舞っているが、心の中では母親が入院して寂しいのだろう。母親が死んだらどうしようと泣きだす場面が、何とも可哀そうである。メイは無邪気でわがまま。大トトロを見ても怖がらないとは肝が据わっている。でも、おばあちゃんのトウモロコシを母親に食べさせたいと、トウモロコシを握りしめて病院に駆け出す場面は、母への愛情を感じて泣けてきた。おばあちゃんもメイを可愛がり、池で見つかったサンダルを握りしめて、メイのサンダルでありませんようにと祈っている場面は、私も同様にメイが生きていますようにと祈り、涙が溢れ出た。父親は「お化け屋敷に住みたかった」と、何とも好奇心のある人だ。母親も子供が言ったのに同意して「お化けを見てみたい」と、優しい人だ。

 この続編ともいえる「三鷹の森ジブリ美術館」だけで上映している『メイとネコバス』を見たいが、2回来館したが2回とも上映がなかったのが残念。

 と言うことで、大人も子供も楽しい上に感動する映画である。評価は「5」である。