まだ日が高くない朝の庭は、少しムッとするけれど過ごしやすい。それは虫達も同じらしい。
植木鉢にかけた日除けの紙をめくっていると、ヴーンと聞き慣れた羽音が耳元でする。手が塞がっているので、束ねた髪を振って追い払う。
腕に止まる1匹を発見。条件反射で引っ叩くが、血は吸っていなかった。
やれやれと家に入ると肩や腕が2、3箇所、しだいに赤味を帯びてかゆくなる。潰す前に他の蚊に刺されていたか。潰されたのは鈍臭いやつだったんだな、きっと。
んー?
そう考えると、なんだか余計にかわいそうになってきた。叩く前に、せめてお腹いっぱい吸わせてやれば良かったかなあ。
本気で思ってないくせにー

