日盛りの午後、二階組を庭で遊ばせる。脱走野郎の四女を見張らなければならないので、じっとしていても暑いし、どうせならと猫トイレを洗う。デッキの上で洗ったばかりのトイレに砂を戻していると、目の端に影が映った。二階の出窓の下に何かが張り付いている。蝉ではない。もう少し細い、茶色がかった葉っぱにも見える。葉っぱの端が動いた、と思ったら鎌を振り上げた蟷螂だった。何もなさそうな平坦な壁に張り付いて何をしているのだろうと不思議に思いつつ、視線をトイレに戻すとまた何かが、今度は左手に見える。デッキの上に枯葉色の蟷螂。何でこんなに蟷螂ばかりいるのだろうと二階を見上げると、さっきいたところに蟷螂はいない。ということは、二階からデッキ上まで一気に飛んだのか?この一瞬で?日陰に佇む蟷螂は、三角の顔をこちらに向けたままジッと動かない。日の当たる壁から涼しい日陰に来てくつろいでいるようだが、草むらに顔を突っ込んで何かを探している猫達がすぐ側にいることを思うと、この場所は決して安全ではない。移動願おうと手を出すと、固まったように動かなかった蟷螂のすばしこいこと。幸い近くにあった虫除けスプレーの缶に止まってくれたので、缶を持って垣根に移動。缶を枝に近づけるようにさし上げると、不本意だったろう蟷螂は枝には止まらず隣の空き地へ飛んで行った。