辺りが暗くなり台所の電気をつける。すかさず調理台に飛び乗る次女。座り込み正面の窓を見上げる。目を凝らすと、磨りガラスの向こうに小さな影。ヤモリが白い腹を見せて張り付いている。次女にとっては格好の獲物。もぞもぞ動く影を追いかけとびかかるが、ガラスがあることを知ってか知らずか、気にせずヤモリは羽虫を待ち構える。今日現れたのは赤ちゃんヤモリ。昨日家の中で次女に追われ尻尾を無くした子に違いない。裏口から逃したが元気に現れたようだ。この夏はこの子も此処で獲物を探し、次女はその姿をしつこく追いかけるのだろう。そして、その様子を時に邪魔に思いながら観察する人間。三者三様の熱い、いや暑い季節がまたやってくる。