三女が家族になってから一年後、その頃は近所の外飼いの子が我が家に遊びに来ていた。外で我々の姿を見つけると駆け寄って来た。玄関や裏口に座っていたり、お腹が空いていると鳴いたり。気がついたときには家に上げていた。我が家の226事件と呼んでいる、その年の二月二十六日、何時ものように裏口の影を見つけてドアを開けた。夕暮れ時のこともあり白多めの身体を見て、こちらを向いている子においでと声を掛けた。躊躇している顔をよくよく見ると見たことのない子だった。逃げはしない、人馴れしていると思った。なおも呼ぶと家の中に飛び込んでくる。家人は慌てたが、乗りかかった舟でそのまま捕獲。顔や手足は喧嘩傷と思われる傷だらけ。とりもちのようなベトベトした物が下半身についていた。頭でっかちのアンバランスな身体。人間を識っていたとしても外暮らしは長そうだった。後でわかったことだが、お腹の虫もダブルで飼っていた。全くいきなりの長男の登場であった。