人はどんな時に青を求めるのでしょうか?


一口に青と言っても明るい透明感のある水色から、濃く深い青までたくさんのバリエーションがあります


淡い青(ベビーブルー)や明るい澄んだ青空のような青(スカイブルー)は、優しく穏やかな感情と結びつきやすく、深海の色などの濃い青(ミッドナイトブルー)は浄化や鎮静など落ち着いた感情とつながりやすい色です





赤や橙色などの暖色系は外に向かう動的なイメージがありますが、青のような寒色系は、内に向かう静的な色として認識されています



私の体験ですが、数年前に父を亡くし、青がとても気になった時期がありました


空、海、水、地球、宇宙、青い絵画など、青いものが気になり山下公園に行って海と空をぼっーと眺めたり、川や海の写真集、青い絵画の絵はがき、過去に見に行った展覧会の図録からピカソの青の時代の絵を探したり…と青に浸りたい時がありました






喪失感という感情から抜けきれず、青の持つエネルギーを心が必要としていたように思います


そして青を満喫し、とことん自分自身と向き合ったことで、自立や自己確立など、私自身の心の再生へとつながっていきました


それまでの私は青が苦手でしたが、父の死をきっかけに青を強く感じた時期であり、それ以降、青に親しみを感じるようになりました


色彩心理学の学校での課題で、家族を色で表すと父の色は、子供の時も大人になってからも茶色でした


それは、私が子供の時に、父に連れられて行った陶芸教室での粘土の色と重なり、楽しかった思い出の色でもあります


現在、父は手の届かない遠い(空や宇宙をイメージするような)存在となりましたが、父を心に思うと、身近に輝いている青空のような明るい青を感じています😊





青の好きな人は感性にすぐれ、不屈の精神力と根気があります

そして、自制心も備わっている人が多いようです


青を好んで描いた画家と言えば、東山魁夷、ルネ・マグリットなどが浮かびます



東山魁夷作、“しじまの渓”



東山魁夷作、“年暮る”



東山魁夷は、東京美術学校日本画科を卒業し、第10回帝展に入選します

その後、ドイツベルリン大学で美術史を学びますが、父親の病気の為に志半ばにして帰国し、
戦争による疎開や兵役を体験します

一方、兄、父、母、弟の相次ぐ肉親の死という試練に見舞われます

東山魁夷の作品には、画家自身の内面の静と動が表現され、心の風景のような清らかさと透明感があります💙



マグリット作、“帰還”



マグリットは13歳の時、母親の自殺を体験しており、空を描くことが大きなテーマのようでした


暗い空を背景に、鳩の内側を明るい青空で描き、平和のシンボルである鳩が家族の巣を見守っています



マグリットにとって青は心の原点の色だったのでしょう💙



マグリット作




なんだか最近、青が気になって…という時は、自分の内面と向き合う時のようです👀


身近にある青(青空など)をしばらくぼっーと眺めてみて下さい😊


自分自身の心の声……聴こえてきませんか?😉