恋に溺れたい海賊王 -18ページ目

恋に溺れたい海賊王

只今 恋に落ちた海賊王,戦国BASARA,銀魂に激はまりしております

こんな管理人ですが、絡んでいただける方、お待ちしております








こんばんは☆

久しぶりに、駄文をば(照)

これも、随分前に別サイトに載せさせて頂いた話です。

※ ヒロインちゃんは船長の恋人で、ナギさんの恋人ではありません。

ナギさんの悲恋ですが、こんなナギさんも、ナギさんらしいかな、と。

私はこのナギさんが、とても好きです(●´ω`●)ゞ


とはいえこの話。

3年以上前に書いた話でして。

最近は、恋人同士の、ラブラブ、萌え萌えな、素敵なお話が多い中で、

この手の話は、時代遅れかもしれませんが、ご容赦くださいm(_ _ )m

ではでは、駄文、投下~~~












    *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆









「ねえ、ハヤテってばァー…落ちちゃうからこれ持ってよぉー!!」

「あ?んなもんトワに持たせりゃいいだろ?!」

「え、ええーー! 僕、これ以上は無理ですよぉー」

「…もうっ!…ハヤテのけーち、」

「うっせえ、ばーか」



ふんっ!
ぷーーっと膨れて、●●●は、くるっとハヤテに背を向けた。
つか、買出しの時くらい、黙ってらんねーのかよ、コイツらは。
いつもと変わらない光景を見て、俺は短く吐息した。



「ほら、」

「……っあ!」

「これはおれが持つ。これで文句はねーだろ?」



●●●が抱える荷物の中から、落ちそうな包みをヒョイと奪う。
●●●は、一瞬すまなさそうな顔をして。
直後ニコッと、笑いかけた。



「ふふ……ありがとうございますナギさん!」
「………っ!」



それだけでおれの心臓は、ドキンと脈打つ。



「いや……。落としてからじゃ…おせーからな…」

「あ……そうですね。でも、助かりました」

「―――。」



また●●●が、クスッと笑う。
――だから、そんな顔で笑うな馬鹿。
…とは言える筈もなく。
目を横に逸らす俺は、いつ頃からか。
彼女に好意を寄せていた。


それは密かに。


誰にも知られず。



当然そんなことを知る由もない●●●は、くるっとおれに背を向けて。



「やっぱりナギさんは優しいんだから……ハヤテとは大違い!」

「は?お……俺だってなァ…お前がきっちり頭を下げりゃー…」

「ふん!もう、いいですよ! けちんぼハヤテ!」

「!」



べっ、と赤い舌を出して、●●●は俺たちの1歩先を歩きだす。
息を巻いて歩く背中に、俺は小さく吹き出した。



これが俺たちの、港に着いた時のやり取りだ。


 ―― そう、いつもと変わらない






それから買って来た物をキッチンに運ばせ、晩メシの仕込みに取り掛かる。
包丁を動かす俺の後ろで、●●●は野菜の皮を剥く。
背後から聞こえる、定期的に響く包丁の音。
いつの間にかこの音に、すっかり慣れた自分が居る。


厨房に他人を入れるとか。
考えられなかったこのおれが……


「……っ、いた!」



背中越しに聞こえる、心地いい音にしばらく耳を傾けていると。
不意に小さな悲鳴が聞こえた。
反射的に振り向けば、●●●の左手人差し指から、ツーと血が流れている。



「ば…っ!気をつけろっていつも言ってンだろ!」
「すいま…」



咄嗟におれは手首を掴み、素早く指を口に含む。
血の味が広がると同時に指を咥える俺の顔を
●●●がきょとんと、見ている事に気づいた。



「わ……わりぃ」



慌ててそれを引き抜く。
すると●●●は「いえ」っと、ちょっと驚いた顔をして。
その顔を見ていられず、慌ててシンクへと促すおれは、流れる水に指を浸した。


「…い…っ!」
「我慢しろ。つか…お前が指切るなんて、最近じゃ珍しいな?」
「はぁ……」


●●●が鈍い奴で良かった。
挙動不審であろう、おれの事を気にする様子も見せず、浸す指をじっと見ている。



「ちょっとぼぉーとしちゃってて。……疲れてるのかなぁ…」



●●●はどこか気まずそうに笑う。
その顔を、ちらっと横目で盗み見た。


疲れてる?


そう言われれば、そうかもしれねえ。


なんせ朝から、掃除、洗濯、甲板掃除。
おまけに久しぶりの上陸で、買出しもして、結構な距離を歩いた。


 ―― けど


見えた横顔は、それだけじゃ、ない気がした。






「大丈夫か、おまえ」



ついかけたおれの言葉に、●●●はきょとんと、首を傾げる。



「これくらい平気ですよ?ちょっと切っただけですから…」
「……傷じゃねえ」
「ん?」



じ、と顔を見つめられ、続く言葉が見つからない。


 ―― 思い過ごしか?




「いや…気のせいなら別にいい…」
「はあ……」
「それより……ドクターのとこに行って来い」
「でもこれくらいなら…」
「2、3日で出航する。海の上で化膿しても困るだろ?」



ほら、行け…と、半ば強制的に肩を押すと、●●●は一瞬迷ってから
「すいません」と頭を下げて、どこかトボトボと出て行った。

その背中が気になって、おれはいつまでも閉まったドアを見つめていた。




しかし、俺のモヤモヤとは裏腹に
その後の●●●はケタケタ笑って、キッチン中を動き回る。
晩メシの時も、ハヤテとくだらねー喧嘩をして、シンに一喝されていた。



 ――やっぱ気のせいか



普段と変わらねえ光景に
いつしか俺は、胸のつかえも忘れていた。