恋に溺れたい海賊王 -17ページ目

恋に溺れたい海賊王

只今 恋に落ちた海賊王,戦国BASARA,銀魂に激はまりしております

こんな管理人ですが、絡んでいただける方、お待ちしております








翌日の仕込みも、終わりが見えた頃。

視界の隅に時計が見えた。



「……10時か……」



呟く声が聞こえたらしく
ダイニングの床にモップをかける●●●が手を止めた。



「もう、そんな時間ですか?」



そして腰をトントン叩く。



「長いこと、手伝わせて悪かった」



ありがとな。

礼を言うと、●●●は「いえ」と、おれの方へ駆けてくる。



「それで仕込みは……」

「ほぼ終わりだ…」


助かった、と、見上げる頭をくしゃりと撫でる。

すると●●●は、何故か声を落として、目を伏せた。



「そっか。……もう、終わりですか…」

「なんだ。もっと働きたいのか?」

「……っえ?」



冗談めかすと弾かれたように顔をあげ、おれの腕を、バシッと叩く。



「もォー…そんな訳ないじゃないですか…」

「そうか?」

「で……ナギさんもこれで終わりですか?」



問われて向けた視線の先には、今日買ってきた、野菜や肉。

仕舞う暇も無かったが。在庫の把握もしとかねーと今後の献立に支障をきたす。



「オレはアレを仕舞いがてら……」

「あ…!…だったら私も手伝います!」



言葉半ばで踵を返し、●●●は厨房の隅へと走り出す。



「…っオイ!」



その手首を咄嗟に掴み、くるんとこちらに振り向かせた。



「え…」

「お前はもういい」

「でも……っ!」

「疲れてんだろ?」



掴んだ手を、顔の前まで持っていく。

そこには、指に巻かれた絆創膏。



「あ……」

「それより……風呂にゆっくり浸かってこい」

「…………」

「1時間もありゃ、足りるだろ?そのあと俺も入るからな。ちゃんと出とけよ?」



な、と、口元だけで笑って告げると、●●●は申し訳なさげに目を伏せた。



「そっか。…私が早く入らないと……ナギさんまで、遅くなっちゃいますもんね…」

「……は?」

「疲れてるのに……」



何を勘違いしたのか、●●●はシュンと肩を落とす。


遅くなるのは慣れてるから、別におれは構わねーけど。

そう付け足す前に、掴んだ手が引き剥がされた。



「ごめんなさい。…わたし全然気づかなくて。…いつまでもここに居座っちゃって…」

「………いす?」

「じゃわたし……行きます」

「……って、●●●…!」


呼び止める声にも振り向かず、手に持つモップを立て掛けると
●●●は走ってキッチンを出ていった。



「なんだよアイツ……」



らしくない態度に、おれは首をかしげた。