恋に溺れたい海賊王 -14ページ目

恋に溺れたい海賊王

只今 恋に落ちた海賊王,戦国BASARA,銀魂に激はまりしております

こんな管理人ですが、絡んでいただける方、お待ちしております








40分後。



「そろそろ行くか…」



●●●は30分後と言ったが
風呂上りのアイツとバッタリ風呂場で出くわしても、洒落になんねー。
そう思い、10分の余裕を持たせた。


飲みみかけのコーヒーカップをすすぎ、火元を再度、確かめる。

誰も居ないキッチンを見渡し、ようやくそこをあとにした。




風呂を覗くと、人はおらず。

けど。…わずかに残る温もりと、ゆうべよりあったけー湯船に
ついさっきまで、アイツがここに居たと分かる。



「は………」



湯船に浸かり、天を仰ぐ。

目に浮かぶのは、泣きそうな顔で笑った、●●●。



「明日には船長も、帰ってくるしな…」


そうすりゃアイツも―…


アイツは……



「…………」



胸のどっかが締め付けられて、おれは湯船に顔を沈めた。





風呂を済ませベットに転がり、頭の下で腕を組む。


(アイツちゃんと寝ただろうか…)

(また、泣いてンじゃねーだろうな…)

(そういやー昨日切った指。…あそこは今日、どうだった?)


揺りかごのように揺れる船。

天井のシミを、ぼぉ―っと眺めて、そんな事ばかりが、頭をよぎる。



…………。


「(…って、…どんだけアイツに惚れてんだよ///)」



女々しい自分に呆れ返って、ごろっと身体の向きを変えた。
寝ようと目を瞑ってみるも、目蓋の裏にアイツの顔が貼り付いて離れねェ。


(…大丈夫、つって、言ったんだ……)


きっと寝た。奴は寝た。嗚呼そうに違いねえ――


頑なに目を、ぎゅーーと閉じた。







「―――――。」



けどダメだ。 全然眠れねーじゃねーかよ。

闇に佇み涙を流す、アイツの顔が離れねえ。



「は………」


短く吐息し、起き上がって

眠れない原因を排除するべく、おれは部屋をあとにした。




甲板に出て船長室を仰ぎ見る。

そこには灯りがついていて、起きてんだか寝てんだか、どっちなんだか分かんねーけど。

とにかくそこに居るんだろうと、ようやくオレはほっとした。



「(…こんで文句はねーだろ?)」



納得して、戻ろうとして……けど、と思う。


 ―― 確かめるだけ。 それだけだ


ゆうべ●●●が居た場所に向け、足を進めた。





「やっぱ、いねーな…」



胸騒ぎとは裏腹に、そこに人の影はなく。

波の音が聞こえるだけ。



「アイツちゃんと寝たんだな、」



胸つかえもようやく取れ、そこで俺は踵を返した。


カツッ、カツッ…

静まり返る甲板に、足音だけがやけに響く。

そんな音を聞きながら、数歩歩いたその時だ。


(…ゴトッ…)


こことは違う方角から、鈍い音が微かに聞こえた。



「……、(うそだろ?)」



身体が強張り、じ、と耳をそばだてる。

直感だが、アイツが居ると思った。


しかし音は、それから2度と聞こえてこねえ…


(…どこだよ。 どこに居んだよ…)


夜目はきくが甲板は広い。

音がなけりゃ、どこを探していいんだか、見当がつかねえ…


そこに、ふと目に付いた街の灯り。


 ―― 居るなら街が見える方だ。


闇の中、おれは右舷を探し回った。





「――― っ、」


そして見つけた。

木箱の隙間にカラダを割りいれ、穏やかな顔で眠る●●●を。

そして足元に転がるのは、ゆうべと同じ、1本の酒瓶



「結局おれにも…頼れねーってことかよ」



虚しくくなるのを、ぐっとこらえ、その向かいにしゃがみ込む。

濡れる頬を指で拭いて、眠る●●●を抱き上げた。


―― けど


船長室のドアを開けて、そういうことかと、思った。



「寝られるわけ……ねえよな…」



ゆうべは暗くて気づかなかったが……


ガランと広い、冷えた部屋。

温もりのない、どデカいベット。


掛け布が僅かに捲れあがって、コイツが寝ようとしたのが分かる



 ありがとう。


そう言った●●●は、嘘じゃなかった。



「けど。…寝れなかったんだよな…」



それなら、オレんとこにくればいいだろ。……そう思いつつ
それが出来ないのが、コイツなんだと思う。



「…おれに気ぃなんか使ってんじゃねえよ…」



寝息をたてる●●●を寝かせ、上から掛布を掛けてやる。

すぐに●●●はモゾリと動き、ベットの端に身を寄せた。


広い広いベッドの隅。カラダを丸め、縮こまる。



「……ゆっくり寝ろ……」



切なくなるも、おれの役目はここまでだ、と。

奴に背を向け、歩き出す。
ツ……と後ろに引っ張られた。



「……ん?」



振り返れば、眠ったままの●●●の手が、シャツの裾を掴んでいて。



「なんだ。行くな、ってことかよ…」



船長を思って握っているのか、おれを引き止めたくて握っているのか。

単にそこにあったから、握っただけかもしんねーけど…

頭の横に腰を下ろし、眠る顔を見下ろした。



「(……●●●…)」



耳に髪を掛けてやるも、穏やかな寝顔はそのままだ。

長いまつげに影を落とし、すぅすぅと穏やかな寝息を立てている。

そんな●●●は、本当に綺麗で――




 好きだよ、お前が、


 誰より、何より……





「ホントはこんなんじゃ、ダメなのにな…」



一方通行のおれの恋。

ホントは忘れなきゃダメなんだ。

コイツの為にも、おれの為にも……


けど、ぎゅ、と握られた小せえ手と。

僅かにだが、柔らかな笑みを浮かべる●●●をこの目で見て。

それは無理だと、悟った。


ただ純粋に、コイツを愛しいと思う気持ちを。

いまさら無かった事にするなんて、そんなの到底無理だ。


そう思った瞬間、おれの口に、ふっと笑みが浮かんだ。





「●●●……」



手を伸ばして柔らかい髪を指で梳く。

名前を呼んでも、返事は返ってこねーけど



「居てやるよ、…おれがここに、居てやる…」



あと何度。

こんな夜を迎えるのか、分からねーけど。



お前が。深い眠りにつけるまで……





そしたら俺が浚いにいくから


夢ン中で待ってろ





濡れる目尻にキスを落とすと


少しだけ笑んだ、気がした――




受け止めるよ、何度でも~




おわり