possession①(主人公×シン) | 恋に溺れたい海賊王

恋に溺れたい海賊王

只今 恋に落ちた海賊王,戦国BASARA,銀魂に激はまりしております

こんな管理人ですが、絡んでいただける方、お待ちしております




シンさんのキャラ、ぶっ壊しです



ファンの方はUターンをお薦めします



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昨夜遅く、とある港に停泊したシリウス号――


夜が明ければ、雲一つない青空が、広がっていた。


―――なあ、○○。俺がお前をどんな気持ちで見ているかなんて分からないだろ?



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「シンさんッ!」


航海室に向かっていた俺の背中にかけられた声。振り向かなくても分かる。海賊船には到底似つかわしくない甲高い声の持ち主、○○だ。


「何だ、○○」


腕組みしたまま振り返れば、彼女は、洗濯物を干しながら、風にでも飛ばされたんだろう。俺の足元から少し離れた所に落ちているタオルを指差した。


「すいません、シンさん。それ取ってもらえますか?」


屈託のない笑顔を向け言う○○。

俺にものを頼むとはいい度胸だな。

そう思いつつ、○○の今の状況を思い出して、渋々落ちているタオルへと足を運ぶ。それを拾い上げると彼女の方へ歩み寄った。


先日、雨で濡れた階段で足を滑らせ、足を捻挫した○○。


いつもなら、今頃ナギ達と買い出しに行っているところだが、引きずる足ではあまり歩き回れないということで、今日は仕方なく船で留守番している。

我慢強い○○のことだ。まだ引きずるということは、相当痛いんだろう。


「ほら」
「あ、すいませんシンさん」


さっきの笑顔をそのままに、タオルを受け取るとパンパンと何度かたたいて物干しに掛けた。


「お前、洗濯なんかトワにでもやらせればいいだろ」


足元に置かれた籠の中にある洗いたてのタオルを一枚取って渡してやる。

○○は、『すいません』と言いながら俺から受け取ると、さっきの動作を繰り返した


「えぇ・・。でも座ってばかりだと退屈で。それに・・・。」
「ん?」
「お天気も、ほら。とっても良いですからね」


手を目の上にかざしながら眩しそうに太陽を見上げるその姿に、思わず、フッと口元が緩む。


○○は、そのまま俺の方へ向き直り、首を傾げた


「何だ?」
「あのー、シンさんは出かけないんですか?」
「ああ。・・・ま、たいして必要なものもないからな。」
「そうですか。シンさんは、船長みたいに酒場には行かないんですか?シンさんカッコいいから、きっとモテるでしょうに・・・」
「別に、今、女は必要ない」
「そっか・・。あ、よけいなお世話ですよね」

ごめんなさい。

○○はそう言って、はにかんで笑うと、また洗濯ものを干し始めた


○○の足を気にしていた船長も、既に酒場に出かけ、ナギ、ハヤテ、トワは、朝から買い出し。ドクターもさっき、薬草を買いに行くと言って、船を降りていったばかりだ。

ということは、今船に残っているのは・・・負傷中のコイツと俺だけか・・・。


改めてそんな事を思いながら、○○の足元にある籠を覗くと、入っている物も、あと僅かとなっている。


「○○、」
「はい?」
「動き回るのも良いが、程々にしておけよ。」
「わかりました」
「航海室にいるから何かあったら呼べ。いいな」
「はい」


○○に残り少なくなった洗濯物の一枚を手渡すと、俺は航海室へ向かった



しばらくの間、やりかけてになっていた海図を引いく。


1時間ほど経っただろうか。


ギシリと椅子を軋ませ背もたれに、寄りかかる。

取り立てて急いで引く必要もない海図だが、だからといってそのままにしておくわけにもいかない。

終わりの見えない作業に、ひと息入れようかと立ち上がり、キッチンへ向かった。


自分で淹れたコーヒーを片手にキッチンの窓から外を見れば、相変わらず足を引きずりながら、甲板を歩いている○○の姿


「・・たく、じっとしていられないのかアイツは」


普段、ちょこまかと他の船員達の手伝いに、惜しげもなく労力を使う○○。

そう思うと、少々足が痛くてもじっとしていられない事も分からなくはないが・・・。


しかし何で、あそこまで、他人のために自分を酷使できるんだ・・・。


俺達の船に乗ってから、かなりたつってのに、いつまでたってもバカ正直で、真っ直ぐで、自分のことより他人のことばかり心配しやがって・・・。


――――まったく、だからお前から目が離せないんだ。


「チッ・・、何を考えてんだ俺は」



どうせ、アイツは船長の女だろ


俺は、カップを持ったまま航海室へ戻った。



ドアを閉め、飲みかけのカップをテーブルに置いて、ギシリと椅子に座る。

やりかけの海図を前にコンパスを手に取るが、集中できない。


何故か、足を引きずりながら、働くアイツの姿が頭から離れない。


「ったく・・・」


得意の感情のコントロールができない自分自身に吐き気がする。



気持ちを切り替えようと、すでに冷たくなって苦みの増したコーヒーを口に注ぎ、軽く首を捻る


「よし・・・」


手元に置いていたコンパスをもう一度手にとって、海図と向き合あった。


「駄目だ・・・」


すっかり集中力の途切れた自分にため息をついて、一旦自室へ戻ろうと立ち上がった。