無常憑み難し、
知らず露命いかなる道の草にか落ちん、
身已に私に非ず、
命は光陰に移されて暫くも停め難し、
紅顔いずくへか去りにし、
尋ねんとするに蹤跡なし、
熟観ずる所に往事の再び逢うべからざる多し、
無常忽ちに到るときは国王大臣親䁥従僕妻子珍宝たすくる無し、
唯独り黄泉に趣くのみなり、
己れに随い行くは只是れ善悪業等のみなり。
無常の命は頼りにならない。
露のごとき命はどのような道の草に落ちて一生を終えるか誰にもわからない。
この身は自分の思い通りにならず、
この命は過ぎさる時間の中で少しも留めることは難しい。
若い時代の顔はどこかへ去り、
面影を探しても証跡は無い。
じっくりと観察したところで過ぎ去った時間には再び逢えないことが多い。
無常が突然来るときは、国王も、大臣も、親族も、従者も、妻子も、財宝も、助けてくれない。
ただ独りで黄泉に赴くのみである。
我が身に従うのは生前の善悪の行いとその報いのみである。