47都道府県では、県庁所在地が県内で最も人口が多い市である事がほとんどです。

中には京都府や宮城県のように県民の約半数が県庁所在地に居住している所もあります。

しかし、県庁所在地より人口が多い市を持つ県が日本には5つあるんです。

どこか分かりますか?

正解は…



福島県
群馬県
静岡県
三重県
山口県

こちらの5県です。

意外だと思った方もいると思います。

全ての都道府県が県庁所在地の人口が県内最大とは限らないんですね。


まずは福島県

福島県で最も人口が多いのは県南部に位置するいわき市で、人口は346,442人です。

ちなみにいわき市は面積も福島県では最大です。

2番目に人口が多い市は県庁所在地の福島市かと思いきや、実はまだそれを上回る人口を持つ市があるのです。

県中部に位置する郡山市で、その人口は334,636人です。

かつては郡山市がいわき市の人口を上回った事もありますが、ここ最近はいわき市が福島県トップをキープしています。

そして県北部にある県庁所在地の福島市は県内で3番目に人口が多く、291,013人です。

特に郡山市では県庁の移転を希望する声が多く、しまいには「福島県庁を郡山へ移転推進する会」という会まで誕生してしまいました。

さらに福島県内に企業の拠点が置かれる時も、福島市より郡山市に置かれる事の方が多いです。

3市の人口差はさほど大きくないとは言えど、複数の市に人口を抜かれている県庁所在地は現在は全国で福島市だけです。(平成の大合併前は他にもありましたが、それは後述。)

福島県は人口が3つの都市に分散している全国でも珍しいタイプの県です。

福島県は面積が大きいので、この方がいいのかもしれませんね。


次は群馬県です。

群馬県で最も人口が多いのは県庁所在地の前橋市に隣接する高崎市で、その数は370,176人です。

県庁所在地の前橋市は334,718人で、その差は僅差ですが、高崎市は新幹線の駅があって、前橋市より交通の便が良いと言われています。

しかし、昔から高崎市の人口が県内最多だった訳ではなく、平成の大合併前の2005年までは前橋市が県内で最も人口が多い市でした。

平成の大合併で高崎市が榛名町など5町村を編入した為、前橋市の人口を抜いてしまいました。

ちなみに平成の大合併直前の2003年の人口は前橋市が約28万人、高崎市が約24万人でした。

前橋市と高崎市は隣接しているので、かつての埼玉県浦和市と大宮市のように、合併して政令指定都市にする話も出ていたそうですが、実現は難しいとの事です。


次は静岡県です。

静岡県で最も人口が多いのは県西部に位置する政令指定都市の浜松市で、その数は795,598人です。

県庁所在地である静岡市の人口は698,052人で、約10万人もの差があります。

浜松市は平成の大合併で面積がかなり大きくなった事から、群馬県同様に平成の大合併で人口が県庁所在地と逆転したのかと思いきや、実は平成の大合併前から浜松市の方が人口が多かったのです。

平成の大合併前の2003年のそれぞれの人口は静岡市が約47万人、浜松市が約59万人と今よりもさらにその差が大きかったのです。

ちなみに浜松市は平成の大合併前は面積は大きくはありませんでしたが、静岡市は平成の大合併前から面積は全国でもトップクラスで、日本一面積が大きい市になった事もあります。
なので、平成の大合併前の人口密度は圧倒的に浜松市の方が高かったです。

参考までに平成の大合併前の静岡市と浜松市。

浜松市、かなり広くなりましたね…。

浜松市は合併で面積が膨大したから人口も今の数に激増したのかと思われがちですが、人口が集中しているのは主に上の地図の青い部分の旧浜松市のエリアで、合併で浜松市に編入された地域の多くは人口の少ない山村なので、面積が増えても人口は合併前の1.3倍程度しか増えていません。

静岡県は人口が離れた2市に分散している珍しいタイプですが、静岡市と浜松市はかつてはそれぞれ別の県の県庁所在地だった為、これも納得です。

静岡市と浜松市は県庁所在地とその他の市の人口が逆転している5県の中で最も人口の差が大きいですが、静岡県内に企業の拠点が置かれる場合、前述の福島県、後述の三重県や山口県と違い、県庁所在地である静岡市に置かれる事が多いです。

浜松市は広大な面積を誇る静岡県の端にあるのに対し、静岡市は県のど真ん中にあるので、地理的要因もあるのだと思います。


次は三重県です。

三重県で人口が最も多いのは県北部に位置する四日市市で、その数は310,366人です。

県庁所在地の津市の人口は277,797人で、四日市市との差はさほど大きくはありません。

しかし、平成の大合併前の津市の人口は約16万人程で、一時は全国の県庁所在地で最も人口が少ない市になった事もありました。

そして、その当時は四日市市だけでなく、鈴鹿市、松阪市よりも人口が少なく、三重県内では4番目に人口が多い市だったのです。

そしてかつては四日市市に県庁が置かれた事もありました。

一方、四日市市は平成の大合併前は津市の約2倍の人口を擁しており、工業都市で尚且つ名古屋市との距離も近いため人口が多いのです。

過去の話とは言え、県庁所在地の倍の人口を持つ市があったなんて驚きですよね。

しかし、このような県は三重県だけではありません。


山口県も三重県と非常によく似た構図をしております。

山口県で最も人口が多いのは県西部に位置する下関市でその数は262,702人です。

そして県庁所在地である山口市の人口は196,517人です。

そして三重県同様に平成の大合併前はさらにその人口差は大きく、山口市は約14万人で、下関市は約25万人でした。

そして山口市は平成の大合併前は長らく県庁所在地の中で最も人口が少ない市で、現在も甲府市、鳥取市に次いで3番目に人口が少ない県庁所在地でもあります。

さらに、山口市も津市同様に平成の大合併前は下関市だけでなく、宇部市、周南市よりも人口が少ない県内第4の都市だったのです。

津市は平成の大合併前は県庁所在地の中で2番目に面積が小さい市だった事から、山口市の人口が少ないのも単に面積が小さいからなのでは?と思うかもしれませんが、実はそうでもないのです。

山口市は山口県内で最も面積が大きく、さらに現在は県庁所在地の中でも4番目に面積が大きいのです。
当然、県庁所在地の中では人口密度は最下位です。

まぁ面積と人口が必ずしも比例する訳ではないというのは東京と大阪の人口と面積を見れば分かりますよね。

一方、下関市は湾岸都市として栄えており企業の拠点が置かれる事も多く、さらに関門橋を通じて隣接している政令指定都市の福岡県北九州市との交流が盛んな為、人口も多いです。

余談ですが、北九州市も昭和の頃は県庁所在地の福岡市より人口が多かった時期もありました。

それでも、国の出先機関や各種行政機関は県庁所在地である津市や山口市に集中しているので、たとえ人口が多くなくてもこれらの市が県の政治の中心地であるのは間違いない事。

なので、海外の都市に例えるとアメリカのワシントンD.C.やオーストラリアのキャンベラのような立ち位置なのかもしれません。


日本には県庁所在地より人口の多い都市が意外にもたくさん存在するのですね。

何でも県庁所在地一極集中にせず、県庁所在地は政治の中心、そうでない都市は文化や工業の中心など都市によって役割を分担した方がバランスが良いのかもしれません。


★参考記事★
県庁所在地の人口比率

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