ハマダラカのマラリア原虫感染率 | 日本でマラリアが再流行するとは思えない。

ハマダラカのマラリア原虫感染率

21 マラリアコントロール地区における蚊の感染率と経産令の関係の変化』(一盛和世・Curtis C. F. )(衛生動物 Vol. 41, No.2(19900615))には

タンザニア、ムヘザ地区における英国MRCマラリアベクターコントロールプロジェクトの過去3年間のデータを分析した。特にマラリアスポロゾイト感染率と令構成の関係を調べた。コントロールは殺虫剤を浸ませた蚊帳を用いている。

蚊のスポロゾイト感染率はコントロール前5.5%から 後1.9%と低下した。しかし令構成の変化により 蚊が1度の吸血により感染を受ける可能性がコントロール後に 高くなることが示唆された。その理由を以下のように考察した。

1) 蚊のGonotrophic cycleが長引くようになる。

2) Multiple feedingが多くなる。

3) ヒトの免疫力の低下あるいは血中マラリア原虫の感染力が増加する。

4) 吸血源が感染率の高い集団に変わる。

と記載されている。

要するに、殺虫剤を浸ませた蚊帳を使ったら、蚊が、マラリア原虫を持っている率は減少したが、1回の吸血で考えると、感染する可能性が増えたこととその理由の考察が述べられている。

それはともかくとして、マラリアが土着蔓延しているタンザニア、ムヘザ地区(1990年頃)で、100匹、ハマダラカがいても、5.5匹しか、マラリア原虫に感染していなかったことがわかるcontrol前)。

ちなみに、明治34年頃、土着マラリアが蔓延していた北海道深川村の屯田兵の兵屋内のハマダラカも、100匹いたら、5匹以下しか、マラリア原虫に感染していなかった。

(↑腸の血であるが、感染率が約3.3%~5.0%であるので

兵屋内に おいて 捕獲した ハマダラカの 腸の血を 検査し、マラリア原虫 存在を 認めた。その比は、2030匹に 1匹で あった

↑都築甚之助、大町文興著『我邦ニ 於ケル 麻刺里亜  伝搬ノ 証明』英蘭堂書店。1901年(明治341029日発行p 33-34の第12

↑『明治時代の北海道深川村の資料など(室内の蚊など)

http://supplementary.at.webry.info/200801/article_12.html

以上、マラリアが土着蔓延している地域でも、ハマダラカのマラリア原虫感染率は結構、低いという事例を2つ、挙げた。

なお、最初に取り上げた論文の話であるが

蚊の吸血- 産卵-吸血の期間を、蚊のGonotrophic cycleという。

つまり

Gonotrophic cycleが長くなる。

→1回目の吸血で、マラリア原虫を取り込んだ後、マラリア原虫をたっぷり増殖させてから、2回目の吸血をするから、ヒトへのマラリア感染率が高くなる。

といっているのだろう。

その他の理由については、一般人でも意味がわかると思う。

なお、『multiple:多数の』、『feeding:吸血』という意味である。

日本でマラリアが再流行するとは思えない。 (6)

http://ameblo.jp/475229/entry-10119266593.html

のコメント欄も参照すると、面白いかもしれない。