明治34年頃のカナダのオンタリオ湖岸でマラリアが流行していた。
地球上、有名であるマラリア流行地域
Hirsch氏による地球上、有名なマラリア流行地域を順次、記載する。 |
北アメリカ東海岸~メキシコ湾岸は、強烈な流行地である。
マラリアは、ミシシッピ川に沿って、国内に撒布される。
同様に、テキサス・ニューメキシコの一部に流行する。
同様に、フロリダ・ジョージア(GEORGIA)の中間から、特に、東海岸に、著名なマラリア流行地の中心を成し、中央と西北に向かって、僅かになっていく。
強いマラリア流行地の中心は、南から始まり、オンタリオ湖・エリー湖岸に減少しながら、到達し、ヒューロン湖(L. Huron)湖岸付近は、マラリアが流行しない地域となる。
ペンシルバニア・ニューヨーク沿岸の一部は、重い症状のマラリアの中心であり、この国の内陸の地方では、ハドソン川・デラウェア川(Delaware R.)等に沿って、マラリア流行が著名であるが、土地の改良と共に、年々、減少した。
カナダにおいては、オンタリオ湖岸の他は、マラリアの流行は稀である。
西方では、マラリアは、ワイオミング(WYOMING)、ユタ(UTAH)、コロラド(Colorado)で流行し、その他、カリフォルニア・アリゾナで流行する。 |
↑『新纂麻刺里亜療法』(荒井多門編。東京:金原医籍。明治34年9月発行。国立国会図書館の近代デジタルライブラリーのサイトで無料で閲覧できる)p 10, 18を私が現代語訳したものである。なお、「順次」と書かれているが、全部、入力するのは大変なので、入力しやすいところから、入力した。
原文には
北亜米利加東岸墨西哥ノゴルフェス地方ハ強劇ナル流行地ニシテ本病ハミスシッピー河ニ沿テ国内ニ撒布シ |
と書いてあったが
『French-Japanese Ocean Dictionary 仏和海洋辞典』
http://www.oceandictionary.net/ffjj/fj-abc/fjg.html
に
golfe: n.m.湾、入り江(=petit golfe)(cf. baie)/le Courant du Golfeメキシコ湾流/golfe du Mexiqueメキシコ湾/golfe de Gascogne, golfe de Biscayeビスケー湾/golfe de Persiqueペルシア湾. |
と記載されていたので、『ゴルフェス地方』を『メキシコ湾岸』と訳した。
また、原文には
ペンシルワニー及新約克沿岸ノ一部ハ重症ノ中心ニシテ此国ノ内地ハフドソン・テラワレー等ノ河流ニ沿テ著名ナリシモ土地ノ改良ト共ニ年々減少セリ |
(←原文の下線などは、そのまま、入力できなかったので、表記を若干、変えた)
と書いてあったので、上記のように訳した。
『重症』=『熱帯熱マラリア』と解釈すれば、ペンシルバニア・ニューヨーク沿岸の一部で、熱帯熱マラリアが流行していた可能性がある。
また、カナダのオンタリオ湖岸でマラリアが流行していたことがわかる。