バイオリニスト 千住 真理子さんのエッセーより
産経新聞の一面 第三金曜日に、「音に命あり」 の 題名にて
エッセーを、執筆されています。
以前は、NHKラジオで 毎週土曜日に 「クラシックでお茶を」 で、色々な
クラシック曲を楽しく紹介されていました。早朝でしたが、目が覚めるほどに
聴き応えが有る番組でしたが、4月より FMラジオ 深夜に変わり、今では
ほとんど 放送されなくなりました。良い番組なのでとても残念です。
勤務先で、4月から取り始めた産経新聞に、千住さんのエッセーが載って
いるのを見た時は、なんか ビ・ビッ と きましたよ。
それで、今回3度目のエッセーを一部紹介します。
ストラディバリウス(バイオリン)との運命的な出会いから、この夏で10年
になる。いまだ夢のようだ。高鳴る鼓動を体全体で感じながらケースを
開けた私は、その物体が放つ威圧的とも言える強い「気」に圧倒された。
手に取り、弓の毛が弦に触れた瞬間、私の知り得ない世界が始まった。
アントニオ・ストラディバリはイタリアのクレモナに生れた天才楽器製作者。
製作されてから約300年間、プロのバイオリン奏者の手に渡った形跡が
ない。1人目の所有者は当時のローマ法王、次なる所有者であるデュラン
ティ家に約200年間、隠されるように眠っていたため、この楽器は後に
デュランティと呼ばれるようになった。楽器製作者は、その思いを楽器に
込める。製作者の魂は時間も空間も超え、強いエネルギーがそこに残る。
ストラディバリウスという名器は、芸術作品として強烈なメッセージが
込められている「生々しい楽器」なのだと、手にして10年めの今、確信
する。 平成24年7月20日 産経新聞より抜粋
ラジオMAN