ある人から、「なんで出初式はしごするの?」と訊かれた。
出初式をまわるワケ。それは出初式で活躍する「ラッパ隊」を記録し、彼等の手元にそれを届けることだ。
僕らラッパ隊は、よく「式典に華を添える」と言われるけど、実際注目される事はあまりない。
ラッパ隊は式典から分列行進、一斉放水の合図まで縦横無尽に動いている。
けれど、ラッパ隊の地位は必ずしも高いとは言えない。
音がズレればまともに分かってしまうから、中には罰ゲーム的に任命されたと感じている人もいるかもしれない。
ラッパ隊員の多くは楽譜も読めない、楽器を触ったことがないという人だ。さらに通常の消防団活動にプラスして、ラッパの訓練も行う。吹けない人間が吹けるようになるまで訓練するのは、消防操法より技術がいる事だ。
指導も、操法のように指導員がいるわけでもなく、各隊の古株や吹ける人が今までの経験や前例を基に暗中模索しながら練習をしていることだと思う。加えて入れ替わりのペースが早い隊もあるから、やっと形になってきたと言った時に引退…というようなこともざらに起きる。
そして、県内だけでもこんなにたくさんのラッパ隊があるにもかかわらず、彼等が活躍する場面を記録したものが圧倒的に少なすぎるし、彼等も、自分たちが活躍しているところを見ることはほとんどない。記録するのは市町の職員や報道が主で、それが自分たちの手元にくることがないからだ。僕もラッパ隊員として記録がない悔しさは今まで沢山味わってきた。
だから、僕は彼等にフォーカスを合わせて、頑張っているラッパ隊を記録し続ける。他のカメラが、団員や壇上の来賓、消防車両にレンズを向けていても、僕はラッパ隊にレンズを向ける。独りよがりかもしれないけれど、それでも記録し続ける。
そしていつか、静岡のラッパ隊同士が横の繋がりを持って、お互いを応援し合い、みんなでいろいろな事ができるような時が来ることを願って。
だって、ラッパ隊、カッコいいじゃんね!!









