『いい加減、駄々を捏ねるのはやめろ。見苦しいぞ』
「うるさい!皆私の邪魔をするんだ!そんなに私が嫌いか!」
『冷静になって考えてみろ。愛があるからこそ、貴様は追放レベルで済んだのではないのか』
「それはッ……、……」
『貴様の望みは叶わない。だが、貴様は己が思っている以上に……きっと、愛されている』
「………嘘だ。認めない」
「残念ながらそれは紛れもない真実ですよ」
唇を噛み締めている天使の前でゲドウ神は腕を組み、告げる。
「ルカはずっと御前のことを愛している。そして悩んでいた。御前の為に自分は家族として何が出来るだろうと」
箱庭を追放したあの日から、今日まで。
ルカは、ルカなりに天使のことをずっと思い、苦悩し、最善を探し続けていた。
それは自身が神祖という座に在るからではなく、一途に想い自分を慕っていた天使を家族として見ていたからだ。
今ルトと様々なことを共有しているゲドウ神は、絶対的な自信を持って続ける。
「己が罪を認めよ、そして贖罪せよ。神祖に赦されたくば、禁断の果実で穢れたその心から決して目を背けるな。…大丈夫、今からでも間に合いますよ」
リピート神たちの側でいつの間にか静観していたルカと天使の視線がぶつかった。
ルカは迷うように口を開きかけては閉じるもの、やがて緩く首を横に振り言葉を紡いだ。
「君は望み方を間違えてしまったけれど、それに気付けなかったのは僕だ。ごめんね、苦しかったよね。…帰ろう、僕たちの家に」
今にも泣きそうな顔で微笑むルカを見てか。
じわりと、天使の視界が涙で滲む。
「……ごめんなさい…わがままで、ごめ、ひっく、ごめんなさい…たくさんきずつけて、ごめんなさい…さんざん、っ、ひどいことして、それでもまだゆるされたくて…かえりたくて、っごめんなさい…!」
手で顔を覆うこともせず、子どものように嗚咽を漏らし、大粒の涙を流して。
槍を手放し、堰を切ったように天使は「ごめんなさい」と繰り返しながら泣き出した。