■三章
ルトの意識が浮上してから二日が経ったが、一向にゲドウ神が目を覚ます気配はなく、神々はブログ神の家のリビングで顔を突き合わせ唸っていた。
「流石に、普通の人間も住んでる霧谷家にずっと寝かせておくわけにもいかないし…全部解決するまでとりあえずルトさんにはここで療養してもらうとして。戦神さんはゲドウ神さんを襲った犯人を調べに天上界へ、エンド神さんは未だ行方知れず。さて、俺たちはどうする」
「どうするもこうするも…私たちが、というか師匠が一体何に巻き込まれているのか、状況が全くわからないので…」
ブログ神とユカ神の言葉に、クズ神、カス神は顔を見合わせる。
「もしかして、エンド神も前世的なものの因果で、どこかに隠れなきゃいけない状況に陥ってるんじゃ?」
「奏だっけ、彼奴創世時代の悪魔だかなんだかだって、戦神が前に言ってたよ。今回も彼奴が、創世時代の関係者であるゲドウ神とエンド神にちょっかいかけに来てるんじゃ?」
「それなら私たちが今のところ襲われていないのも納得できるし」
「エンド神がこのタイミングで行方を眩ませている理由に成り得ると思うけれど」
その意見にサカダチ神は腕を組んで
「確かに、今回の件が創世時代の何かに関わるものである線は高い。…エンド神をどうにか探し出して、一ヶ所に固まるのが良さそうだけど手掛かりがないしね…」
うーん、と首を傾けた。
「うちの子どもたちが迷惑をかけてしまって、君たちには申し訳ないな」
二階の客間で通称人をダメにするクッションに体を沈め、ゆったりと寛いでいたルトはぽつりと漏らした。
「仕方ない…よ…誰もこうなる、なんて…思わなかった…だろうし…」
彼の呟きが耳に届いていたのか、日暮は無表情で応えた。
彼女の側に座る深夜も
「そうですよ。だからアナタが気にすることはないかと」
そう言って、傍らに置いていたティーポットを手に取り、ティーカップに紅茶を注いでいく。
三人分の紅茶を用意すると深夜はそれぞれの前にカップを置き、紅茶を一口含んだ。
ルトも同じようにカップを手に取ると紅茶を飲み、困ったような笑みを浮かべる。
が、直ぐに頬を緩めて「美味しい」と零した。
そんなルトに、深夜は昨夜から日暮と一緒に考えていたことを訊ねてみる。
「…あの。僕たちに出来ることはありますか?」
「………」
「僕と日暮は、アナタ方を視る程度の力を持っています。そして、それ故にゲドウ神さんと再会し、沢山助けられてきました。…ゲドウ神さんを心配し、想う気持ちは強いと思うのです」
「………、その強い想いが、信仰か、象徴的認識に成り得ると?」
「恐らく、ですが。…それを判断するのはアナタではありませんか?」