「は、なんスかこれ…」

 

部屋を荒らされた形跡はないものの、窓ガラスは割れカーテンの一部に風穴が空いている。

 

そして、血溜まりの中に彼女は横たわっていた。

 

「惚けてる場合か!物干し竿と清潔な毛布を用意して担架を作れ!」

 

「わ、わかったッス!」

 

「日暮、ちゃんだっけ、俺の携帯貸すからサカダチ神さんって人を呼んでくれるかな?」

 

「う、ん…!」

 

二人に指示を出したブログ神はゲドウ神の傍に膝をつくと鞄から小型の魔導書を引っ張り出し、応急処置にと止血、臓器修復の呪文を唱えようとしたが

 

「……くそ、こんなときに誰だ」

 

インターホンの音に邪魔をされ舌打ちをした。

 

しかし今ここの住人でもない自分がゲドウ神を放って出るわけにもいかず、彼女の右胸に手をかざして呪文の詠唱を始める。

 

数秒経つと翳した右手が淡い黄色の光を放ち、傷口を覆った。

 

(……血が流れ過ぎてる。輸血しないといけないけど、彼奴ゲドウ神さんが何型か知ってるかな)

 

「俺の魔力、あげましょうか」

 

「……は?」

 

ブログ神の背後から突然響く青年の声。

 

驚いて振り向こうと首を動かすが

 

「俺よりも、こっちに集中しないと。ね?」

 

青年はブログ神の手の平に自身の手を重ねながら制止した。

 

「あんた、誰。ゲドウ神さんの知り合い?」

 

「知り合い、じゃあないかな、今はまだ。いうなれば通りすがりのパリピ、みたいな?」

 

「はぁ…」

 

青年―――三神はにし、と笑うと一体どこから出てくるのか、ゲドウ神に負けずとも劣らない魔力をどんどんブログ神へと送り込んで消費していく。

 

その間にリピート神は担架を作り、日暮に呼ばれて飛んできたサカダチ神はリビングの入口でじっと、ブログ神と三神の応急処置を見守っていた。

 

「…よし、とりあえず血は完全に止まった。今のうちに部屋に運ばないと…リピート神、頭側から持ち上げて。俺は足側を持つから」

 

数分後、止血を終えゲドウ神を担架に二人掛かりで乗せると、日暮の先導で一先ず客室まで運び。

 

「サカダチ神さん、お願いします」

 

サカダチ神の“浄化”の能力で、ゲドウ神の身体を清めた。

 

その後サカダチ神が呼んだのか、紅茶神も霧谷家にやって来るとゲドウ神を清潔な衣服に着替えさせ、清潔な布団に寝かせる。

 

それまでの間、日暮と男性陣はリビングのカーテンや床で赤黒く変色している血を大急ぎで片付け

 

「……なんとか、深夜くんたちが帰ってくるまでに片付いたッスね」

 

神々と三神は客室の床でぐったりと倒れ込んだ。