リピート神が突如消えてから一ヶ月経った、ある日。
彼が消えたことについて何も言わず、いつもと変わらぬ様子で日々を過ごしているゲドウ神に神々は最初、リピート神のことを然程心配していなさそうだし大丈夫そうだなと彼女を眺めていた。
しかし、よくよく見ていると以前よりも僅かに口数が減っている。
そのことに気付いた紅茶神とサカダチ神はゲドウ神を心配して、気晴らしになればと彼女を一日連れ出すようユカ神に言い。
「私、師匠とあそこのショップ行ってみたかったので今日は凄く楽しかったです!付き合ってくださってありがとうございます!」
今朝二人は街の雑貨屋や服屋、本屋を巡り、今はその帰りである。
「たまにはああいう場所も悪くないですね。また行きましょうか」
「はい!師匠との次のデート、楽しみにしてます!」
ゲドウ神を元気にするはずが自分が元気になっていることにはたと気付いて、ユカ神は内心で苦笑する。
そうして、何気無く視線を泳がせたとき、煙がどこからか上がっているのが視界に入って立ち止まった。
ゲドウ神も煙に気付いたのか「火災でしょうか」と首を傾ける。
二人はふわりと飛び、空から煙の元を探した。
***
「これはまた派手に燃えていますねぇ」
原因は分からないがそこそこ大きいマンションの三階から火の手が上がり、マンションの住人らしき人々は外から部屋が燃えていく様子を何とも言えない表情で見ていた。
と、二人の神の姿は見えていない人々は
「まだ一人、取り残されてるらしいぞ」
「嗚呼、305号室のお子さん?一人で留守番してて逃げ遅れみたいね...」
どこか他人事のように、逃げ遅れたらしい子供の話をする。
「何ていうか、こういうとき人間の嫌なとこが見え隠れしちゃいますよね。...って、師匠!何処に行くんですか?」
「子供が中にいるみたいなので、私が見てきます。消防隊員を待っていては手遅れになりかねない」
「ええええ、駄目です、燃えちゃいますよ!」
「神だから大丈夫ですよ。まぁ流石に人間に見える状態のときに飛び込んだら燃えそうですが」
ふふ、と可笑しそうに笑うと、ゲドウ神は燃え盛る火の中へ飛び込んでいった。